市場の歩き方 with SAM -11ページ目

2011/04/25

先週から凪の様相が週明け日本時間の取引は続いています。
今晩のNY時間から北米市場が連休明けの取引を開始します。

(1)市場動向

4/21(木)、イースター連休前のNYダウは12,505.99ドルで前週末比+1.3%で終了しました。
4/6には戻り高値の12,426.80ドルをつけていましたが、これを上回ってきました。
主要企業の業績発表を素直に好感して、小動きから上へ振れてきています。

S&P社が米国債の長期格付け見通しをネガティブと発表しましたが、市場の反応は限定的にとどまりました。
すでに織り込み済みであること、実際の変化は次期大統領が2013年以降に取り組む任務であろうことが反映されているとみられます。

昨年2010年の春には一旦、米景気の回復は軌道に乗ったかにみえました。
その際には欧州でギリシャ債務問題が顕在化し、欧州域内外を問わず、景気見通しの楽観的な見方は衰え、リスク回避が目立ち、米FRBはQE2に向かうこととなりました。
今年は、欧州周辺国の債務問題は市場に織り込まれ、各国の主要企業業績、米国の雇用情勢も改善しています。
QE2の効果で、市場心理は昨年とは異なり、改善していると考えられます。

今後の大きな材料として、QE2からの出口戦略が注目されます。

バーナンキ議長は今週FOMCの後、はじめての記者会見に臨みます。
議長は直接自分の言葉でFRBのバランスシートの調整の仕方を詳細に説明するとみられます。
当初は米国債への投資が満期を迎えた場合、再投資を見送るところから入ると考えられます。
その後、FF金利利上げあるいは保有債券の市場での売却が想定されます。
今月28日の日本時間未明に本記者会見が予定されています。

市場では米長期金利市場あるいは2年物金利市場で今後の金融政策の引き締め度合いを先取りしていく展開が予想されます。

原油価格は先週末のNYMEXで112.29ドルと110ドルを上回った取引に入りました。

「FRBとしては、早期利上げ期待を醸成したくない。景気を自立的な回復軌道に乗せたい。それまでは金融緩和を正当化していく。」
賢明な動きに見えます。

先週の米主要経済指標です。
新規失業保険申請件数40.3万人。
米住宅価格指数-1.6%(前月比)
ミシガン大学消費者マインド指数69.6。
特段の問題はみられません。

今週は日本の主要企業の決算発表が注目されます。
電力供給、売上高の伸びの鈍化、原油高、震災の生産設備への影響などを見きわめるためです。
日本の機関投資家(おもに生保)は、日本株への配分を下方に小幅修正しています。

日本企業の業績見通しは下方修正があり得ます。
今後は、2011年後半以降の正常化した業績を背景とした株価への反映を予想します。
現在の株価水準はどの程度の業績を織り込んでいるか(いたか)が注目されます。

今後の市場見通しとして:

「主要企業の業績見通しは堅調。原油価格、インフレ観測、震災・原発問題を織り込んでいる。」

「この見通しのもとで、米金融政策は緩和的な姿勢を続け、出口戦略も緩やかになる。」

「現在の株式市場は慎重姿勢と強気姿勢が混在しており、上値が伸びきってはいない。」

米国債市場:
米長期金利は2年物、10年が低下。30年物は小幅上昇しました。
イールドカーブは全体が下押し気味です。

米長期金利:
2年物利回り0.6934%→0.6600%。(前週比先週末)
10年物利回り3.4079%→3.3999%。(前週比先週末)
30年物利回り4.6484%→4.4711%。(前週比先週末)
米2年物と10年物との金利差は2.7145%→2.7399%と拡大しています。

日本の金利:小幅低下。
2年物利回り0.2100%→0.2060%。(前週比先週末)
10年物利回り1.2910%→1.2200%。(前週比先週末)

日米2年物の金利差:0.4834%→0.4540%。(前週比先週末)

新興国市場:

香港H株式市場はNYダウと同様、反発高値圏で13,659ポイント。
インドセンセックス指数は19,602ポイントまで上昇。20,000ポイント手前のレンジ取引。
ロシアは戻り高値付近。MICEXで1,793ポイント。1,800ポイントを挟んだ取引。
ブラジルはボベスパ指数70,000ポイントを達成後、65,000まで反落。週末は67,000ポイント。

・米国市場でのリスクテイク拡大は新興国市場への資金回帰にもつながっています。(リカップリング再来?)

(2)今週の予定
4/25 米新築一戸建て住宅販売件数。香港休場。
4/26 米消費者信頼感指数。S&Pケース・シラー住宅価格指数。3M、コカ・コーラ決算。
4/27 FOMC終了後バーナンキ議長会見。米耐久消費財受注。ボーイング決算。コマツ決算。
4/28 米1QのGDP速報値発表。P&G、ペプシコ決算。ホンダ、パナソニック、新日鉄決算。日本鉱工業生産。
4/29 米ミシガン・ロイター消費者信頼感指数。

注目ポイント
・今週は日本主要企業の決算発表がはじまる。
・米バーナンキ議長のFOMC後の記者会見に注目が集まる。
・米GDP速報は2%台と若干の減速が見込まれる。

(3)為替 4/25午後5時30分時点。
・ユーロ・米ドル:1.4581ドル(ユーロ高・米ドル安)
・米ドル・円:82.10円(米ドル安・円高)
・豪ドル・円:88.18円(豪ドル高・円安)

ユーロが利上げ継続観測で対米ドルでユーロ高傾向。
米ドル円や低金利を背景にリスクオンで下落。米ドル、円を売るキャリー取引か。
豪ドルは対米ドルで買い継続の模様。豪ドル・円は小動きです。

今週は以上です。