突然ですが五月中旬に溶連菌に感染して、一週間程寝込んでました。
喉の痛みと変動する熱にうなされる中、以前から気になっていたノベルゲーム「ファタモルガーナの館」がちょうどアプリで配信されたと聞きまして、ベッドで寝転がりながら始めたのが始まりでした。
色 々 と ツ ボ る。
怒涛の勢い(アプリ版は処理落ちが激しかったのでゆっくりでもありましたが)でクリアし、派生作品の『霧上のエラスムス』や『セブンスコート』なども嬉々としてクリアしました。
ということで、以下からはネタバレ多めな感想を記載するので、プレイしてない方は絶対にプレイ後推奨です。絶対に。薄々勘付きながら進める方が絶対に楽しいと思うので…!
※熱を出しながらプレイしたのもあってより感想に偏りがあります。ご注意。
といっても。
私もクリアしたばかりとはいえ記憶が曖昧なのですが。七つのドアまででしたっけ?
えっと一つ目が薔薇の時代、二つ目が獣がいた時代、三つ目が鉄道の時代、四つ目が館の最初の昔話、五つ目が真実の昔話、六つ目が女中の人生、七つ目が魔女の人生……あっ、体験型であり最後のドアで且つ全ての結末の最終章も入れると8つですかね!!あれ?
この流れなんですけどね…五つ目で真実が明かされてああ、やっとこれで解決かー!と思ったらその後の長いこと長いこと……四章目まではほんの序章だったのだと、初めてここに入って気づくんですよね。それまでは物語を一つ一つ楽しんで見てる感じだったのに、凄いボリュームで物語が繋がってる…!と感じた時の重圧感……まさに其処を底だと思ってはいけないんだなと、思いました。
本当はエラスムスやセブンスコートを先にやっていれば推測も色々出来たかもしれませんが、サイトをチラ見しただけでいきなり始めたので、ほぼ全くのネタバレ無し状態でした。自分にしては珍しく。
生気を感じられない麗しのメイドさんに「旦那様」と呼ばれる”あなた”の立場で、物語は進んでいきます。初っ端からメイドさんに惚れそうでした。というか惚れました。女中姿はぐっとくる。
一章は、17世紀の薔薇の時代。貴族のローズ家が住んでおり、メルとネリーの兄妹が仲睦ましげにきゃっきゃうふふしてます。あっこの妹危ないな、と当初から冷や冷やしつつ、やはりドロドロな展開に……。でも、髪の毛剥いだだけなんて意外とネリーちゃん優しいなって感じました(笑)白い髪の少女ちゃん美しいなーと思いつつ、同じアルビノな容姿なのに不思議とミシェルと結びつけませんでしたね…やっぱり似てないからかな……。
二章は、18世紀の獣が住んでいた時代。この章はどんでん返しがすがすがしくて良いですね!べステアが皆に獣獣と言われた~の下りを聞いていて、はっもしかしてイエロージャップのことか…!?とまたしても冷や冷やとしつつ進めていくと、もう最後の方はべステアの快進撃がいっそ心地良いですね。それまで隠されていたスチルが次々と明かされていくところ、高笑いが続き画面の文字演出が多いところなど見ていて爽快。白い髪の娘ちゃんを大事にしている所など、美女と野獣のような切ないお話な所は素直にぐっと来ました。
三章は19世紀の鉄道の時代。先ずガラッと変わった音楽がオシャレでドツボでした。しかもビリヤードや鉄道事業など、この時代そのものに胸ときめかざるを得ません。シャレオツナウでヤングだよ。
ここでの白い髪の娘ちゃんは既にヤコポと結婚していて、物凄く足蹴にされてます。傲岸不遜だな!と、くさくさしていたら、メイドのマリーアちゃんと白い髪の娘ちゃんが踊る場面が出てくるじゃないですか…その明らかな不自然さにこの辺りであああああ!!と滅茶苦茶裏切られた気持ちになりつつ、下衆顔で一人語りする悪役マリーアちゃんの惨めなカッコよさが最高に!最高に!大好きです!!お互いに言葉も交わさないまますれ違っていく夫婦の眺めも何だか愉快で(特にヤコポの甲斐性無し具合)たまらなかったです。マリーアちゃんはやっぱり復讐にしては詰めが甘いので、心底嫌いだったわけじゃないだろうなってところがまた…やるせない…。そしてあんな時だけ眉間を射抜けるヤコポが無駄にカッコよくて更にムカつきました。その後も彼には何度も殺意を向けることになります。でも好き。
四章は10世紀の中世の時代。触れた命を殺すことができる中二病設定なミシェルさんと、迷い込んだ白髪の美少女の穏やかな悲劇。正直物語としてはとても美しいので大好きです。しかもこれ考えたのがあの子じゃん……?可愛いですね…?この神聖な雰囲気溢れる神々しい物語を創作しちゃうところ可愛いですね…?
まあそれが五章で嘘だとわかっちゃいます。ついでに、”あなた”と呼ばれていたのはプレイヤーではなく、ミシェルさんだということがわかりました。くっそー女中さんに旦那様って呼ばれてたのは私じゃなかったのかー!狡いぞミシェル!!!と酷く落胆しました。本当ですよ!!!!
館の女中さんもといジゼルちゃん。快活で明るく、悩みを抱えていても前向きで、まさに生身のヒロイン体質な感じで可愛いです。最初はぎくしゃくしていたミシェルとジゼルも色々な邂逅を経て(大幅に割愛)どんどん親しくなっていきます。しかしあのお色気ハプニングは狡いよミシェルさん!!!あとずっと思ってたけどあんな服着てたらアントナンさんのみならず皆スケベしたくなっちゃうよ!!!この後に出てくる娼婦マリーアちゃんの格好よりも際どいと個人的に思ってるよ!!!
悲劇で終わっちゃうところは嘘じゃなくて、魔女モルガーナに唆されて生きながら死ぬ道を選んだジゼルちゃん。その中で、あのあらあらうふふな女中さんになっていきます。最初のヘイデンさんと一緒の時のたどたどしい所も可愛い。メル君には割と普通っぽいけど、べステアのことは怖がってて、ヤコポのことは嫌ってる感じ?個人的にはあらあらうふふ女中+元気可愛いジゼルちゃんを足して二で割ったぐらいがちょうどいいんじゃないでしょうかと(省略)
そんなジゼルちゃんも受け入れるミシェル。普通に受け入れる一択だよね、と思いつつ。これでもう登場人物みんな死者ってことがわかりました。ここももう普通の世界じゃないなってのもわかりつつ、ここから出るには魔女モルガーナも救わなきゃいけなくなります。とばっちりかーと思いつつ、今まで声だけだったモルガーナがその姿を表してみると…ロリ!!発育の悪いロリじゃないですか…!!全力で救ってやる!!という気持ちになったのは私もミシェルも同じじゃないでしょうか。たぶん。たぶん。
モルガーナちゃんの人生は壮絶で、聖女として生きてきた彼女は死後に魔女になってしまいました。暴行受けて左腕切られて監禁の末に衰弱死とか恨んでも恨み切れないね……。この事実を覆すためにミシェルは実際にモルガーナの死ぬ三日前の記憶に入り込み、様々な事実をあばいていきます。そうすると序章でダメダメだったダメンズ、メルユキマサヤコポの三人が特にモルガーナを苦しめていたことがわかります。特にヤコポの下りなんか最高にじれったいです。お前が変わればかなり歴史は変わったってぐらい。。モルガーナちゃんがツンデレ馬鹿とかヤコポのこと呼ぶけど、すごい優しいと思う………あれは以前の領主にやられてた方がまだマシだったと思う……自分を助けてくれて、かつ自分を好いてる人からあんな暴力と尊厳をふみにじられることを………本当ヤコポに関してはもっともっと呪ってもいい感じだけどそしたらモルガーナちゃんが解放されなくて可哀想だし……と延々と悩む始末。ユキマサは世のために生まれない方がいいし。メル君はまだ普通だから大丈夫かな…。
何とか記憶の中でモルガーナちゃんが死ぬ前に立ち会えるも、あくまでそれは記憶のドアなのでどうにもならなかったと思いき、ここまで色々と忘れ去られていた白い髪の娘ちゃんが出てきて自分を殺してくれとかいいます。何度も断るミシェルもとうとう剣を受け取ってしまうほど、白い髪の娘ちゃんの犠牲体質は確固たる恐るべきものです。生まれてきたことにも気づかれず消えていく時も静かだなんて、影の薄さと薄幸っぷりがある種の怪物といってもいいぐらいに浮世離れしてます。もうちょっと自己主張しようよ…!!!生きたいってだけの自己主張がいろんなことひきおこしちゃってるのに全然悪いことじゃないみたいに見えるのが聖女の凄さ。
そういうことで、白い髪の娘ちゃん共々モルガーナちゃんはミシェルに救われ(?)、ダメンズの魂を解放して館を消滅させることになります。この直前でミシェルのお兄さん達が…ってあれ?どこのドアでミシェルの過去を見たんだっけ……!?モルガーナちゃんの後ぐらいかな?と、すっかり主人公の重苦しい過去のことを忘れてました。そう、ミシェルさんはまた薄幸体質で色々な障害てんこもりの人生の末夭折したのでした(盛大な割愛)まあ、それでミシェルのお兄さんのジョルジュはへらへらとしていて憎めないし、ディディエは最早自分見失ってるしで、ボランジェ家大混乱だったろうな~。自分もここまでくるとなんというか、ジョルジュ気分に軽くなりました。
そして時代は現代に!!それぞれがそれぞれの場所で暮らしていますね。みんなどんなに歴史を繰り返してもお互いを待っているだろうし問題無い。無いったら無い。愛は呪いより怖い。
クリアすると暗いタイトル画面が一転して愛の園(語弊)に変わりますね。流れる曲も『Giselle』で……リア充永遠に爆発しろ!な感慨で胸がいっぱいになります。
舞台裏では、マリーアちゃんとモルガーナちゃんの会話が見れたのが嬉しいです。お姉さんであったところとか…モルガーナちゃんのお母さんにはなれなくてもお姉さんではあったんだなというところが大変胸熱でした。あとエメさん怖いよエメさん。
音楽館ではゲーム内音楽を聴けたり歌詞を見れたりしますね~。第三章のシャレオツ雰囲気+マリーアちゃんの独壇場な所がよく出てる『Ciao carina』『Dammi una sigaretta』『Bianco O Nero』『Dira"minchia"』が特に好きです。明らかな第三章贔屓。切ない雰囲気の曲では『He Called Hex』『They Are Crying』、ネリーちゃんを思い出す『Ephemere』『cetoniinae』、ポーリーンちゃんを思い出す『Skiaoura』などなど……どの曲もいつでも聞いていたくて、サントラを既に手中に持ちながら。聞き惚れてます。アプリだと中々不便ですし。
実はクリア寸前で人気投票結果のミニゲームやセブンスコートやらエラスムスに手を出していたので、終盤が軽いノリになっちゃったんだと思います。だって気になっちゃったんです…!人気投票結果3位のヤコポが!!!しかも僅差!でもミシェルとモルガーナちゃんでサントライラスト死守してくれて良かったなと思ってます。間違いなく人気投票時に知っていたらヤコポに入れてたとは思うけど、死守してくれて良かった。本当に良かった。そしてジョルジュさんがきて嬉しい一方マリーアちゃんが降板させられて悲しみに暮れた。ジョルジュ兄さん強すぎぃ……!!
セブンスコートではまさかのヒキニートヤコポさんで……このヤコポさんなら素直に好きに…なれるようななれないような…。ユキマサさんはこのセブンスのユキマサさんが良い味出してました。ポーリーンちゃんに匿ってもらいつつその喉に噛みつくその経緯が大変、大変、大変素晴らしくてこっちが死んだ…。そして当たり前のようにジゼルちゃんが天使すぎてつらい。あまりにもジゼルちゃんが天使すぎてミシェルさん救われなかった。内気なネリーちゃんもそれはそれで可愛いなあとか。その後に集まることになるヤコポマリーアネリーのトリオに滾る。
エラスムスではしょっぱなからヤコマリが恋人になってて、お茶を噴きましたとも。まさかの、恋人。いやこれ公開順ならエラスムスで恋人の二人を見てかーらーのあの殺し合いになんでしょうけど…でも結局殺し合いしてたので何だかほっとしたのか残念なのかわからない気持ちに苛まれつつ、ここまで来てこの二人の因縁具合が予想以上に好きだな~とか感じてました。友達以上恋人未満な幼馴染。美味しい。しかしヤコモルの似た者同士のすれ違い且つ歳の差+犯罪ありな所も非常にたまらないのですが、ヤコポさんは永劫に苦しんでも足りないぐらい呪われればいいと思う。めちゃくちゃ殺意が溢れてますが、あしからず。
アーカイブや設定資料集も入手しまして、こちらのSSはまだ未見なのでゆっくり読みたい次第。にしても現パロファタモル違和感無さ過ぎて…白い髪の娘ちゃんとモルガーナちゃんが一緒に暮らす所も見たいなあ……。そして幼少時代ヤコマリの尊さについてはもう何も言えない。
ばばっと走り書きな感じですみません。モルガーナちゃんとミシェジゼ(ついでに白い髪の娘ちゃんも)には幸せになってもらいたいなとしみじみ思っています。あとネリーちゃんとポーリーンちゃんとマリーアちゃんも。ヘタレ(メル)と下衆(ユキマサ)とクズ(ヤコポ)はもっとギッタギタにされても悲しくないなとも。ファタモルガーナの館、今後の小説や漫画の方も楽しみです~!