3月から始まっていた本作、今日やっと観られます。
でも「この世界の片隅に」は7月まで観れません。
「千と千尋」の前回は初演のときだから2022年の春なのですね。
当時14500円だったチケット代は今回は17000円。
物価高騰が恐ろしい。なお、2023年の再演は観ていません。
今回は新たに川栄李奈さんと福地桃子さんが千尋にキャスティングされています。
りっちゃんなんかハステとワステが仲良く作った頃から知ってるから感慨深い。
りっちゃんと、今回はじめて拝見する華優希リンを目当てに行きました。
(なお、みりおんリンは未見です。)
千尋 川栄李奈
ハク 増子敦貴
カオナシ 中川賢
リン/千尋の母 華優希
釜爺 宮崎吐夢
湯婆婆/銭婆 春風ひとみ
兄役/千尋の父 堀部圭亮
父役 伊藤俊彦
おばたのお兄さん 青蛙
頭 奥山ばらば
坊 坂口杏奈
アンサンブル 油屋組
千尋 川栄李奈
まさか誰も29歳2児の母とは思うまい。10歳の千尋がそこにいました。
お顔が幼いのは知ってたけど、声色も違和感なかったし、
手足をバタバタさせたり、脚をすくめたり、
ひとつひとつのリアクションがアニメから飛び出してきた千尋でした。
ハクに魔法をかけられて立ち上がるところなんか、
おおよそアニメでしか表現できないような動きで立ち上がってた。
「新しい友達なの、ね。」「肩に乗っていいよ」
千尋の優しさとりっちゃんの人柄が重なって感じられました。
終演後のご挨拶もしっかりされていて、大きくなったんだなと実感しました。
りっちゃんといえば、握手会での痛ましい事件が思い出されますが、
悪に屈しずにここまで続けてくれて嬉しいです。ありがとう。
リン/千尋の母 華優希
華ちゃんもしっかり声色をアニメに似せてきていましたね。
面倒見のいいリンさんそのままに、ちょっとヤンキー入ってる?
っていうような、妃海さん咲妃さんに比べて男前な感じがしました。
リンだけでなく千尋の母もうまかったと思います。
お父さんとお母さんと千尋で車に揺られるシーン、
本当に車が揺れているみたいでした。
ハク 増子敦貴
今回のハクは台詞も落ち着いていて大人な雰囲気に見えました。
醍醐さん三浦さんに比べるとちょっと大柄なのかな。
湯婆婆/銭婆 春風ひとみ
千尋とリン以外は気にしてなかったけど湯婆婆がシスターラザールス。
シスアクのイメージが強いから心配になるけどまだまだお元気ですね。
オクサレ様あとのパペットの青蛙のダンスが可愛かった。
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油屋に迷い込んだところ、
誰もいない油屋のセットを回すことによって、
不気味に佇む不思議の世界が口を開けて待っているような効果を感じました。
油屋のすべてをあのセットですべて表現しているのも良い。
イマジネーションって凄いね。
再演で観ても「演出の妙」に唸らされる値打ある舞台と思います。
それ以前にストーリーの中でそれぞれのシーンが美しいので
カットするところがなかったのだと思います。
「呪いの子」と同じく、すごく段取りの多い舞台ですが、
それをこちら側に気づかれないように、なんなくこなしていくからこそ
舞台上が「魔法」や「不思議」の世界に変化を遂げるのでしょうね。
カーテンコールでみんなのホッとした顔が見れましたが、
本当に命がけなのだと思います。安全第一に頑張っていただきたい。
何と言っても、それらすべてを包み込む久石譲さんの楽曲。
結局、最後に「ふたたび」をかけられたら感動するしかないやんか。
それも生オーケストラで聴けるなんて。贅沢です。
今回は日本の公演に加えてロンドン公演を並走させる大興行。
さすが、演出のジョンケアードはロンドンの演劇界に顔が利くのですね。
それが「千と千尋の神隠し」という日本の信仰が根底にある作品というのは
ちょっと誇らしい気もします。ジブリの力も大きいでしょうが。
同じものがロンドンでも上演されているというのは不思議な感覚でした。
夜の一献。夏の日本酒も美味いですね。