「経営計画書」と「未来会計」で「中小企業を元気にする」、経営計画・未来会計コンサルタント&税理士の米森です。
11月5日投稿した「年末調整 あなたは対象?」で、年末調整の対象となる人ならない人を説明しました。
今回と次回で、「年末調整」の対象となる「給与」について説明します。
その前に、用語がわからないと何を言っているのか?になりますので、そこから説明します。(甲欄、乙欄、丙欄の説明)
【お給料の源泉徴収の概要】
お給料の毎月の源泉徴収は、税額表の「甲欄」「乙欄」「丙欄」の「欄」を使用して、源泉徴収する所得税を出します。
そして、「年末調整」は、「扶養控除等申告書」を提出している、いわゆる「甲欄」を使用して、毎月(日)の所得税を源泉徴収されている「給与」が対象となります。(甲欄給与)
それでは、「甲欄」「乙欄」「丙欄」とは何でしょう。
お給料から、毎月(日)の所得税を天引きする際には、「税額表」という一覧表の「欄」に、給料の額(社会保険料の天引き後)を、照らし合わせて、天引き額を出します。
そして、その金額を給料から天引きして、国に収めることになります。
「税額表」は、
「月額表」と「日額表」、そして「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に区分されています。
天引きすることを「源泉徴収」といい、源泉徴収された所得税を「源泉所得税」、その税額を指す時には「源泉徴収税額」と呼んでいます。
「甲欄」
お給料の、支払の前に「扶養控除申告書」を、給与支払者に提出した場合には、給与の支払者は税額表の「甲欄」を適用して所得税を源泉徴収します。
この「扶養控除等申告書」は、お給料の支払者が複数の場合には、1箇所しか提出できません。
この扶養控除等申告書を提出された給与の支払者を「主たる給与支払者」といいます。
「乙欄」
お給料の支払い前に「扶養控除申告書」の提出がない場合には、給与の支払者は税額表の「乙欄」を適用して、所得税を源泉徴収します。(乙欄給与)
「乙欄」で源泉徴収される源泉所得税額は、同じ給与の額であっても「甲欄」より、過大となっています。
これは、所得税が累進税率を適用しており、所得が多くなればそれだけ納税する所得税が多くなるため、2か所から給与をもらう人はそれだけ所得が多くなるので、源泉所得税額を多く天引き(源泉徴収)して、申告時の納税額が少なくなるようにしています。
「丙欄」
いわゆる日雇い労働者の給与です
日々雇い入れられる人が、労働した日又は時間によって算定され、かつ、労働をした日ごとに支払いを受ける給与等をいいます。
ただし、2か月を超えて給与が支払われる場合には、2か月を超える部分の期間は、甲欄又は乙欄が適用されます。
給与の支払者は税額表の「丙欄」を適用して、所得税を源泉徴収します。(丙欄給与)
なお、「甲欄」「乙欄」は、税額表の「月額表」又は「日額表」を用い、丙欄は「日額表」をのみ使用します。
ここで一言
11/5のブログで説明した、
対象者の前提として、「扶養控除等申告書」を提出している人なので、当然に「甲欄」が適用されている人になります。
しかし、年末調整の時までに「扶養控除等申告書」が提出されれば、たとえ途中が「乙欄」であっても、年末調整を行うこととなります。
⇓ 11/5ブログ
【対象者】
前提として、
① 「扶養控除等申告書」を提出している人で、
②本年中の主たる給与の収入金額が2,000円以下の人です
それでは、対象者となる人は、
1 1年を通じて勤務している人
2 年の中途で就職して、年末まで勤務している人
3 年の中途で退職した人のうち、次の人
① 死亡により退職した人
② 著しい心身の障害のため退職した人で、その退職の時期からみて、本年中に再就職ができないと見込める人
③ 12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した人
④ いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払いを受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先から給与の支払いを受けると見込まれる場合を除きます)
4 年の中途で、海外の支店へ勤務したことなどの理由により、非居住者となった人(非居住者とは、国内に住所も、1年以上の居所も有しない人をいいます)
参考
所得税法第28条(給与所得)
所得税法第185条(賞与以外の給与等に係る徴収税額)
所得税法第190条(年末調整)
所得税施行令第309条
所得税基本通達185-8
所得税基本通達190-1
国税庁作成 「平成30年年末調整のしかた」 P8
国税庁作成 「源泉徴収のしかた」 P14
※ このブログの回答はあくまでも私見です。実際の課否判定には責任を負いませんのでご注意下さい❗ 参考程度にしてください
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