From With -33ページ目

From With

子供達に、幸せの見つけ方、教えてあげたい・・大丈夫。隣りにいるから。あなたの周りは、ほら、幸せがいっぱい!!(自宅を色んなお子さんに開放して14年。問題のある子 無い子皆一緒に 同じ時代の同じ時間を生きていきたいな~!一歩一歩、 丁寧に・・)



From With-201205100900001.jpg


先日、Nがあの作曲家 小林亜星氏とお話をさせて頂く機会に恵まれた。


小林亜星氏と言えば一斉を風靡した『寺内貫太郎一家』の(お父さん)役が真っ先に浮かび、大きな身体に優しい目が印象的な方である。


その亜星さん(私にはこの名前でお馴染み)のお話を伺うのだ、と言うので、ミーハーな私は思わず「サイン貰ってきて!」と言いそうになって慌て止めた。


でも、世の中旨く回っているもので、Nはしっかり最近出された二枚組CDをプレゼントされて帰ってきた。


亜星さん作曲の作品と言えばCMソングなら
・サントリー「オールド」
・明治製菓「チェルシー」

主題歌なら
・魔法使いサリー
・ひみつのアッコちゃん
・ガッチャマン etc


数々の名作を生み出しているが、何と言っても私の一番はCMソング

・日立「この木なんの木」である。


「もうとにかく穏やかで 大らかで 心は少年っていう感じの方だったよ。」というNの言葉に相も変わらず(貫太郎お父さん)を重ねながら 早速 CDを聴いてみた。


1 地平を翔る風
2 ねむの木の子守唄
3 HOTARU




(あれ、何か違う・・・
ん~、何だろう・・・)


そこから流れてくる曲は かつての粋な亜星ワールドを全く想像させない 緩やかでたゆたうような世界だった。


むしろ、懐かしい童謡に似たシンプルな旋律が挽きたての珈琲のように五感に染みた。


ジャケットを見てみた。タイトルも確かめないで聴いたのが間違っていた。


『Asei meets Atsuko
ロマンティックをもう一度』


亜星さんが奇跡の人と称賛するバイオリニストの天満敦子さんのために書き下ろした作品で、そこにこんな言葉を寄せていらした。


「・・・無為に晩年の日々を過ごして居りました。それには理由があります。


私が好むロマンティックな音楽が、今の時代にはそれ程受け入れられないと思うからです。


(中略)


これが現代音楽?どれもこれも「これでどうだ」と挑む音楽ばかり。


(中略)


私が子供だった頃聴いたハイフェッツやクライスラーは良かった。私が世に問う曲を作曲するとすれば、こうしたアンコール・ピースと呼ばれるバイオリン曲だろうな・・・とぼんやりと願望の中にありました。


ロマンティックとは、魂と魂の無言の語り合いなんです。・・・・・・・」





・・ロマンティック・・か・・・


だからジャケットタイトルが『ロマンティックをもう一度』なんだ。


そう思って目を瞑ってまた聴いてみた。


中に一つ とても心惹かれる曲があった。


『星降る夜に』という曲だ。


バイオリンの低い音色が子供の頃みた、ディズニーの優しい夕暮れの色に辺りを包んでいくような、そんな気持ちになった。


そして亜星さんご本人の解説文にはこんなことが書いてあった。


「満天の星空。もはや都会では見られなくなった幻想です。


モンゴルの大平原で、プラネタリウムの様に見事な星空を見たことがありますが、この曲はあくまで都会の星空の幻想です。


マンハッタンの夜空一面の星を想像して下さい。でもそれは実際には、高層ビルのアパートの窓際に眠っているお嬢さんの、夢の中に現れている星空なんです。


ですから何故か不自然に、3拍子と4拍子が交代するんでしょう。」













解説を読んで
ロマンティックって
そっと誰かを想いやる気持ちなのかな、と思った。





あれから私は毎日
車に乗ったらまずこの曲
プチプチッと沢山スイッチを押して11番の『星降る夜に』を聴きながら亜星さんのロマンティックに包まれている。










でも、時代はあっという間に過ぎるもので、話を聞いたとき「え~!ホントに~!? え~、いっいな~~~~~!」とびっくりする私にNはきょとんとして「母さん、この方誰?そんなに凄い方なの?」と・・・


一瞬言葉に詰まって、取り敢えず『寺内貫太郎一家』くらいまでは話をしたが、


とても その時流行った「ジュリ~~~!」の真似は出来なかった。











From With-201205111440000.jpg




FromWith


夕方 虹が出た。

窓にゆったりと弧を描いた七色は 我が家に幸せのリボンを掛けてくれるようだった。

思わず 近所に住む生徒さん宅にメールで知らせたら、こんな可愛らしい返信が来た。


「N子先生、ご連絡ありがとうございました!!


早速 庭に出て・・・

主人が夕寝をしている部屋を通り・・・

ベランダに出て・・・

北側の小窓から顔を突き出し・・・






見つけられませんでした。
残念です。


でも、

Tと二人の虹探し

楽しかったですニコニコ







(虹さがし)か・・・
いいな~~~~~


見えても、
見えなくても、


T君、大好きなママと二人で楽しかったろうな~~~、とまん丸顔のT君を思った。



それから、
「実はT君ちにも七色のリボンが掛けられたんだけど
丁度 見えないところを通っていただけなんだよ」と


今度会ったら言ってあげよう、とも思った。



From With-__.jpg




From With

先日、ちょっと早起きしてAさんとFと私で都心散策に出かけた。


お目当ては根津美術館で開催されている『KORIN展 国宝 燕子花図とメトロポリタン美術館所蔵 八橋図』で、この二つの作品が並ぶのはおよそ100年ぶりという歴史に残る展覧。


果たして二つの屏風は金地に花の群青、茎草の緑青が栄え、律動的に配された燕子の群生は心地よい音楽を奏でるようだった。


初めて対面したAさんもFも何度もその前に佇み、清々しい初夏の調べを聴いていた。


根津美術館と言えば、展覧もさることながら その庭がまた美しい。(個人的にはベスト3に入ること間違いなし。)


毎年『燕子花図屏風』展覧の時は勿論新緑の盛りで、その日も (青葉・青梅・青田・青雲)という数々の言葉を生み出した五月の青が光琳の筆と瑞々しいアンサンブルを奏でていた・・・



From With-201204301140001.jpg


雑木林に見立てた庭は漢字がひらがなで緩やかに繋がれ美しい日本語が出来上がるように見る人を導く。



From With-201204301130000.jpg



そして、その余白を楽しむように藤棚をしつらえ 花遊びの時を置いてくれる。


棚の下に広く敷かれた低めの石は座すものではなく、花房に近づくためのもの、と自ずと知れ AさんもFも少し背伸びをして甘い香りとミツバチの羽音を楽しんでいた。



From With-201204301148001.jpg



庭のあちこちで心遊ばせるしかけのようなものがふっと現れ、私達はいつしか日常から ゆらぎの中にすっぽりと入り込む・・・



From With-201204301129000.jpg



From With-201204301133000.jpg



「こっちだよ」
「こっちだよ」と呼ばれてまた分け入る・・・



From With-201204301136000.jpg












先を行くFの
「あっ、燕子が咲いてる!」という声が聞こえた。


そう、燕子の頃に合わせての屏風展、けれど 今まで一度もその日に出くわすことが無かった上、今年は桜も遅く全く気にとめていなかった。


踏み石を飛んで苔の緑を幾重も開けて降りるとぽっかりと望遠鏡を覗いた様に向こうの世界が現れた。


その狭い景色の中で両手を丸く合わせた緑の蕾に混じって燕子の花が数輪咲いていた。


羽化した蝶が濡れた羽根をゆっくりと開くように群青色の花びらがふっくらと開いていた。






私は思わず「えっ・・ほんとなの・・・」ともう一度望遠鏡を覗き込むように確かめた。


・・・咲いていた。


日の当たるところ、日の当たるところ、に小さな群青色が咲いていた。















(光琳はこの絵をどこから描き始めたんだろう・・・)の答えを見るように彼がテーマにした『伊勢物語』の一節「その沢に、燕子いと面白く咲きたり。」を想い出した。















「日本の文化は気配」と言った人がいた。「日本の庭には宇宙があり気配がある」と言った人もいた。


深いところは分からないけれど、300年前 光琳が 未詳とされる『伊勢物語』の作者の気配を感じたように 私も光琳の気配を「いと面白く咲いた燕子」によって感じさせてもらった。









『伊勢物語』ではこの後 業平は「かきつばた」の五文字を上につけて歌を読めと言われこんな句を読む。


「からごろも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもう」


(着慣れたからごろものように添い慣れた妻が都にいるから、はるばる来た旅の遠さが思われる)


ん~、一句・・・
ん~、か、か、か、
ん~、き、き、き、


ん~、無理・・・
ん~、無理やり・・・


「カラカラと 金の矢車 突く空に 万の幸降る 端午の日」


ひゃっ!
オ・ソ・マ・ツ!!!






ともあれ、



美しい光琳の絵が こんな遊びを楽しませてくれた
燕子日和りの一日となった。


From With-201204301143000.jpg





From With