『2012年6月 Aさん、完治 』 | From With

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子供達に、幸せの見つけ方、教えてあげたい・・大丈夫。隣りにいるから。あなたの周りは、ほら、幸せがいっぱい!!(自宅を色んなお子さんに開放して14年。問題のある子 無い子皆一緒に 同じ時代の同じ時間を生きていきたいな~!一歩一歩、 丁寧に・・)



~Fちゃんへ~
~N君へ~


「Fちゃん、N君、
お父さんのC型肝炎最後の検診結果が出ました。


ウィルス検出せず。




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完治です!!










一年間のインターフェロン治療から半年、リバウンド率50%の不安との闘いに、お父さんの、私達の祈りが勝ちました。


完治です!
完治ですよ!


母さんは 告知からの17年間があまりに長過ぎて
まだ言葉になりません。


やった~!って こみあげてくるはずの感情が胸の底で迷い子になって おろおろ おろおろ・・・


待って、待って、
待って、待って、
手にした言葉なのに


梅雨の最中に届いたクリスマスプレゼントのように
蓋を開ける勇気が足りません。


中に ずっと欲しかった物が入っている、わかっているのに、見たいのに、蓋を開ける手が震えるのです。


涙ばかりが溢れて チラと見えたそれが滲むのです。


Fちゃん、N君、
お父さんは頑張りましたね。本当によく頑張りましたね。


そして、あなた達はよく理解し、耐え、よく支えてくれました。母さん、心からお礼を言います。


・・・ありがとう。


思えば告知の時 Fちゃんは6歳、N君にいたっては2歳でした。だからあなた達は C型肝炎患者としてのお父さんしか知らずに育ったのです。


・パパの歯ブラシをいじったり、お口に入れたりしてはダメよ。


・パパがおケガをしても血を拭いてあげたり、撫でてあげありしてはダメよ。

それがお父さんとの約束であり、いつの間にか身につけたお父さんとのわずかな距離でしたね。


告知の日、右に並んだFちゃんはまだ革の匂いのするランドセルを背負っていました。


左に繋いだN君の手は母さんの中に納まる小さなほおずきのようでした。


そのFちゃんが洒落たバッグで通勤電車に走り込む社会人となり
N君は母さんを包んでくれるお父さんそっくりな骨太の手になりました。


そして20代に間違えられて喜んでいた母さんは白髪の混じる半世紀越えオバサンになりました。


長かった・・・
苦しかった・・・
辛かった・・・


悲しかった・・・
不安だった・・・
怖かった・・・


17年の間に織り込まれた気持ちは頑丈な革紐のように緩むことが無かったけれど、それにも終わりの時が来ました。


最後の結び目がほどけ、堅かった紐が母さんの思うように、願うように緩んでいきます・・・・・









幸せ・・・


本当に 幸せ・・・











Fちゃん、N君、
どうぞ覚えておいて下さい。


あなた達のお父さんが
17年という年月を
どう闘ったか、


自分のためにしなければならない事と、社会のためにしなければならない事とのバランスをどうとっていったか、


闘いの中も一度も声を荒げず、強さを優しさに変えるエネルギーを持つ人であろうとどう努力したかを。


そして、何より
私達家族を励まし、支え、完治を信じ続けてくれた人達がどれだけ沢山いてくれたことかを。


どうぞ
覚えておいて下さいね。






お父さん、完治です!


ロンドンオリンピックの年、お父さんはゴールドメダリストになりましたよ!



母さんより 」









完治の知らせを受けて庭に出たら、桜が咲いていました。


N君が植えた御殿場桜に
四つの桜が咲いていました。

~~~~~~~

Aさんの大学の後輩の方からこんなメールが入ったそうです。



「K村さん

長い治療と経過観察の甲斐あって、とても良い結果が出たようで、なにより喜ばしい限りです。


そんなご報告を頂戴する前日の昨夕、ご夫婦ご一緒のところにばったりお会いできたことも、偶然ながらとても嬉しく思います。


それにしても、奥様、お変わりありませんね。(←これは御祝いの一つ・・・)


健常な成人であっても体内で1日に数千のがん細胞が産まれては消えている訳ですが、そのがん細胞を、毎日確実に駆逐するためには免疫力を高めることが大切と言われております。


そして、免疫力を高めるには、川原の焚き火と、七輪の遠赤外線で調理した食品と、適量のアルコール摂取が有効、とも言われております。


と、いう訳で、梅雨が明けたらまた川原でお会いしたいと思います。


日程・場所等は、追って調整させて下さい。


Mより 」


Aさんの新しい人生の始まりは、やっぱり カヌー&河原のようです・・・



PS
皆様へ


主人、Aさんが
C型肝炎を完治いたしました。


ブログでお伝えしてから一年半、沢山の方々に励まして頂き本当にありがとうございました。


折れそうな時を察して「休め」と言って下さった方、コメント返しには必ずAさんをお気遣い下さった方、


その皆様のお気持ちが 私達家族を慰め、癒し、立ち上がる勇気をもくれました。


本当にありがとうございました。家族四人心から心から感謝致します。


完治とはいえ、キャリアの長いAさんは既に肝臓癌の芽が出来ていないとも限らず、これからも半年毎の検診は欠かせません。


でも、私達は今度も前を向いて(信じる)を続けていく覚悟です。


最後に、今 私達にある(幸運)を ウェディングブーケのように 高く投げようと思います。


同じ病気と闘っていらっしゃる方々、同じでなくとも闘うもののおありの方々、


希望を見失いかけている方々、信じる力が足りなくなった方々・・・


どうぞ そこに届きますよう、


いいえ、必ず届きますから
受け取って下さいね。




今、力一杯 力一杯
投げます!!!



桜 桜


桜 桜




桜


桜







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