魔女とレヴィ 第4話                             甘い香りに誘われて 


-3-


 午後の光が、坂道をやわらかく染めていた。

 レヴィはその上を、百合夜の半歩うしろを歩いていた。

 冷たい風が頬を撫で、どこか懐かしい匂いを運んでくる。


 百合夜は籠を抱え、ひとつずつ包みを手渡していく。

 「こんにちは、これ、バレンタインのチョコです。いつもお世話になってます」

 受け取った人たちの笑顔が、通りにあたたかな色を灯していった。


 角のパン屋の奥さんが手を振る。

 「百合夜ちゃん、今日もありがとね!」

 「こちらこそ〜! また今度ハーブティー持って行きますね!」

 そんなやりとりを、レヴィは少し離れた場所から静かに見つめていた。


 (……こんなにも、人は笑い合って生きているのか)

 久しく忘れていたぬくもりが、胸の奥に染みていく。

 知らぬ間に、口元がわずかにゆるんでいた。


 百合夜はその笑みに気づいたようだったが、

 何も言わず、ただそっと前を向いた。


 花屋で小さな花束を買い、スーパーで野菜を選ぶ。

 「今日はたくさんお客様いるし、クリームシチューにしよっか?」

 「なんでもいい」

 レヴィはかぼちゃを手に取りながら答える。

 「食べたいの?」

 「いや、そういうわけではないが……」

 少し照れたように棚へ戻すその仕草に、百合夜が小さく笑った。


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