魔女とレヴィ 第4話 甘い香りに誘われて
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午後の光が、坂道をやわらかく染めていた。
レヴィはその上を、百合夜の半歩うしろを歩いていた。
冷たい風が頬を撫で、どこか懐かしい匂いを運んでくる。
百合夜は籠を抱え、ひとつずつ包みを手渡していく。
「こんにちは、これ、バレンタインのチョコです。いつもお世話になってます」
受け取った人たちの笑顔が、通りにあたたかな色を灯していった。
角のパン屋の奥さんが手を振る。
「百合夜ちゃん、今日もありがとね!」
「こちらこそ〜! また今度ハーブティー持って行きますね!」
そんなやりとりを、レヴィは少し離れた場所から静かに見つめていた。
(……こんなにも、人は笑い合って生きているのか)
久しく忘れていたぬくもりが、胸の奥に染みていく。
知らぬ間に、口元がわずかにゆるんでいた。
百合夜はその笑みに気づいたようだったが、
何も言わず、ただそっと前を向いた。
花屋で小さな花束を買い、スーパーで野菜を選ぶ。
「今日はたくさんお客様いるし、クリームシチューにしよっか?」
「なんでもいい」
レヴィはかぼちゃを手に取りながら答える。
「食べたいの?」
「いや、そういうわけではないが……」
少し照れたように棚へ戻すその仕草に、百合夜が小さく笑った。
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