魔女とレヴィ 第4話                             甘い香りに誘われて 


 ――その夜、家の中には、

 甘い香りと、誰かを想うやさしさが満ちていた。


***


 夕食は、カボチャ入りのクリームシチューだった。

 ほくほくで甘いカボチャが、スプーンの上でほろりと崩れる。


 「ママ、美味しい!」

 「みんなで食べると美味しいね!」

 大樹の無邪気な声に、食卓が明るく笑いに包まれた。


 レヴィも、カボチャの入ったシチューを静かに見つめる。

 どこか懐かしそうに、口元がゆるむ。


 「これ、めっちゃくちゃ美味しいです!」

 ジャンが感嘆の声を上げる。

 「カボチャとクリームシチューって、合うんですね?」

 アルが首をかしげながらも笑う。


 エルとライは、その光景を穏やかに見つめていた。


 「レヴィ、美味しい? 食べたかったんでしょ?」

 百合夜の問いに、レヴィはスプーンを止めた。

 図星を突かれたように、わずかに目をそらす。

 「……そういうわけじゃないが。うまいな」

 百合夜はふっと微笑んだ。


 「ねぇねぇ、妖精さんって食べなくてもいいんでしょ? 食べたのって、どこ行くの?」

 大樹の素直な質問に、アルが真剣な顔で答える。

 「それはですね、私たちの体内に入ると、異物と判断して魔力が集中し――」

 「???」と首をかしげる大樹。

 ライが笑いながら、

 「つまりな、大樹。燃えちまうってことだ」

 「えぇぇぇ!?」

 その声にまた笑いが広がる。


 ――そんなふうに、あたたかい時間がゆっくりと過ぎていった。


***