魔女とレヴィ 第3話 夜の訪問者 



庭に出ると、レヴィは掌に風を起こし、

庭で妖精と遊ぶ大樹を見守っていた。

ふわふわと風に乗って舞う光の粒を、大樹は楽しそうに追いかける。

その笑い声が冬の空気に溶けていった。

レヴィはその様子を、穏やかな眼差しで静かに見つめていた。


やがて日が傾き、百合夜が買い物袋を抱えて帰ってくる。

台所からは、だしの香りがやわらかく漂い始めた。


今夜の献立は、きんぴらごぼうにほうれん草のお浸し、

里芋の煮物と豆腐の味噌汁。

優しい香りが、家の中に満ちていく。


「……野菜ばっかりだな。」

レヴィは思わず苦笑した。


「肉類がないが、大樹は大丈夫なのか?」

心配そうに問うレヴィに、百合夜はくすりと笑う。


「今日は特別。お肉が苦手な人が来るの。」


「そうか……。」


珍しく穏やかな空気が流れ、レヴィもどこか安心していた。

仲の良い友人が訪ねてくるのだろう――

そう思いながら、彼は冷えたワインをテーブルに並べる。


「レヴィも飲むでしょ?」


一瞬だけ迷い、レヴィは小さく頷いた。


「ああ。」


そのとき――

庭のほうで、かすかな音がした。


レヴィの指先がピクリと止まる。

空気が一瞬、張り詰めた。

目を細め、眉間に深い皺を刻む。


「……なんだ――?」



わずかな風が、再び家の中を巡る。

その流れに混じって――

あの、甘く妖しい香りが、ふたたび微かに漂った。







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第2話です。



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