魔女とレヴィ 第3話 夜の訪問者
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「大樹、すっかり懐かれちゃってるじゃない。」
アルナがグラスを傾けながら笑った。
「ほんと、妖精の膝の上で絵本なんて、なかなか見られない光景よ。」
「……静かにしていれば、寝るかと思ってな。」
レヴィは大樹の髪を指先で梳きながら淡々と答える。
その目元には、わずかに柔らかな光が宿っていた。
「なぁ、大樹、そろそろ寝る時間じゃないのか?」
その穏やかな声に、アルナがピクリと反応する。
「ちょっと! “なぁ”じゃないでしょ!」
「……?」
「百合夜って名前があるのよ、百・合・夜!」
アルナがワイン片手にぷんすか怒る。
レヴィはむっとした顔で百合夜を見た。
「……名乗られてない。」
「え?」
百合夜は固まる。
アルナの視線が鋭く彼女に向いた。
「ちょっと待って。名乗ってなかったの?」
「無理やり俺の名を訊き出したくせに、自分は忘れていたとはな。」
レヴィはそっぽを向き、膝の上の大樹の髪をくしゃりと撫でた。
その仕草がどこか、子どもみたいに拗ねて見える。
アルナは呆れたようにため息をつく。
「……あんたねぇ、百合夜。あんたもよ。せめて聞きなさいっての!」
「オレは最初に聞いた。」
「“聞いた”じゃなくて、答えるまで聞きなさいよ!」
「……それどころじゃなかった。」
その妙に真面目な返しに、アルナはもう一度ため息を漏らす。
ふと百合夜の顔を見つめ、首をかしげた。
「ねぇ、この子……あなたの契約妖精じゃないの?」
「契約?」
百合夜はぽかんとする。
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