魔女とレヴィ 第3話 夜の訪問者
あっけらかんと言い放つアルナに、レヴィは一拍置いて眉をひそめる。
「……ヴァンパイアが、菜食主義?」
「ふふ。変だと思う?」
「変、どころではないな。矛盾している。」
レヴィの声音には、理を断ち切るような冷ややかさがあった。
「そう言うと思ったわ。」
アルナは艶やかに笑い、白い指で自分の喉を撫でた。
「“血なんてすぐ慣れる”――あの大馬鹿ヴァンパイアがそう言って、私を噛んだの。
でも結果はこれ。気持ち悪くて一滴も飲めやしない。」
肩をすくめる彼女の仕草はどこか優雅で、
赤い瞳がいたずらに光った。
「だから私は、自分で方法を見つけたの。
植物の生命力――自然の息を、ほんの少し分けてもらう術をね。」
「……自然の息を?」
レヴィの声が低く沈む。
「そんな術、聞いたこともない。」
「誰も教えてくれないなら、自分で覚えるだけ。」
アルナはすっと距離を詰め、レヴィの腕に指を滑らせた。
その瞬間、風が震え、淡い光が二人を包む。
レヴィの体から、ほんのわずかに魔力が吸い上げられていく。
「……っ!」
レヴィの眉がわずかに動く。
アルナはその反応を愉しむように微笑んだ。
「ふふ……綺麗な風。
冷たいのに、芯に熱があるのね。」
その囁きは、夜気に溶ける吐息のように艶やかだった。
「……勝手な真似をするな。」
レヴィの声は低く、しかし刃のような冷たさが、どこか鈍っている。
アルナは血のように赤い唇をゆるめ、
「大丈夫。ほんの、味見よ。」と囁いた。
百合夜が慌てて割って入る。
「ちょ、ちょっとアルナ! レヴィをいじめないで!」
「いじめてないわ。」
アルナは笑いながら、百合夜の肩に寄り添う。
「少し、風の香りを確かめただけ。」
レヴィは沈黙のまま彼女を見つめていた。
その瞳の奥には――疑念と興味、そしてほんのかすかな、
“抗いきれぬもの”が揺れていた。
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