魔女とレヴィ 第3話 夜の訪問者
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レヴィは大樹をベッドに寝かしつけると、静かに居間へ戻った。
ストーブの赤い光はまだ揺れていて、部屋には芳醇なワインの香がほのかに残っている。
百合夜はソファに身を沈め、すでに眠りについていた。
頬はわずかに赤く、テーブルの上には空のグラスが転がっている。
アルナはその向かいで、ひとり静かにワインを傾けていた。
「……寝たのね。」
「ああ。」
「そう、ありがと。」
アルナはグラスを置き、しばらくレヴィを見つめてから、
隣の席を指先で軽く示した。
「そこ、座りなさい。」
レヴィは一瞬だけ迷ったが、言われるままに腰を下ろした。
ぱちり、とストーブの中で薪がはぜる。
沈黙が、ゆるやかに降りてくる。
「……あんたが、なんでここにいるのかは知らないけどね。」
アルナの声は穏やかだが、芯があった。
「百合夜を傷つけるようなことがあったら、許さないから。」
レヴィは視線を落とし、小さく息を吸った。
「人の形を取る妖精なんて、ろくなもんじゃないでしょ。」
その言葉に、レヴィの肩がかすかに動いた。
図星を突かれたように、彼は何も返さない。
アルナはその沈黙を見て、ゆっくりと息を吐く。
「……あんたたちの国は、ずっと西のほうなんでしょ?
この東の国じゃ、あんたみたいなのは珍しい。
百合夜は何も知らないけど、私は知ってる。
“人の形”を取る妖精が、どういう存在なのかをね。」
その声音には、怯えでも嫌悪でもなく、
ただ“知っている者”の静かな警戒があった。
「……忠告、か。」
「……心得ている。」
レヴィの答えは短く、しかし真摯だった。
アルナはその横顔を見つめ、ふっと肩の力を抜く。
「まぁ、無理に出てけとは言わないけどね。
あの子の前で変なことするんじゃないわよ。」
レヴィは小さく頷く。
沈黙の中で、ストーブの炎が赤く揺れた。
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第2話です。
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