魔女とレヴィ 第4話 甘い香りに誘われて
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湯気の立つポットの音が、トン、トンと静かに響いていた。
百合夜がチョコレートを湯煎にかける横で、レヴィはカモミールを量り、丁寧に湯を注いでいる。
部屋にはチョコとハーブティー、そしてほんの僅かに漂う魔力の香が混ざり合っていた。
「……それで、何をしに来たんだ?」
ティーカップを配りながら、レヴィが低く問う。
ライがニヤリと口角を上げる。
「何って――お前が女の家に転がり込んでるって聞いたら、そりゃ来るだろ?」
「……誰がそんなことを」
レヴィの眉がピクリと動く。
「だって全然戻ってこねーじゃん!」
ジャンが勢いよく身を乗り出す。
「だからもう、こっちから来たまでっ!!」
「勝手すぎる……」
アルは静かにカモミールティーを啜り、穏やかに目を細めた。
「素敵なお家ですね……落ち着きます」
「はぁ、なんだそれ……」
レヴィの呟きに、アルは柔らかく微笑んだ。
エルがふと、キッチンの方へ視線を向ける。
「これは……チョコレートですか?」
「お手伝いしましょう」
「なんでお前がだ」
鍋の中でチョコがとろりと溶け、甘い香りがふわりと立ちのぼる。
その香りに、レヴィは眉間に皺を寄せながら言った。
「だいたい……なんで“聖バレンタインデー”が、愛する相手に贈り物とか……その、愛の……ごにょごにょ……」
「そこ、どもるなよ!」ライが苦笑する。
「なんでその顔でそんなウブなんだよ!」
「顔は関係ないと思いますけど〜」アルが静かに添える。
「うるさい……」
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