【シングルよもやま話 43】 50歳前後の世代にはなんとも懐かしいパロディ・ソングはいかが…? | 歌謡曲(J-POP)のススメ

歌謡曲(J-POP)のススメ

音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 前回記事の中で、初代バスボンガールだった松本ちえこの名前が出ましたが、その連想で“とあるシングル曲”を思い出したので、今回はその作品について書きたいと思います・・・チッチッチー、私は 変態 もとい”好き者”ですからねぇ(←何をえばっとるんじゃ)。取り上げるのは、松本ちえこの「恋人試験」じゃありませんよ。実はこれなんです()。


「ロック・トンデレラ ~買ってから聴くか!聴いてから買うか!~」(団しん也とパロディー・シスターズ)
作詞:ー、作曲:ー、編曲:葵まさひこ

[1978.2.10発売; オリコン最高位74位; 売り上げ枚数1.6万枚]
[歌手メジャー度★★★; 作品メジャー度★; オススメ度★]


 お気づきの方も多いと思いますが、今回は、作詞、作曲、編曲いずれも私の手元にデータなし
・・・というか、この作品に関する限り、クレジット情報なんかハッキリ言ってあってもなくても支障ナシってことで(←そんなイイ加減なっ)。でも、もし情報をお持ちの方はコッソリ教えて下さいね~

[2014.5.11追記] クレジット情報をコッソリ教えて下さった奇特な方、どうもありがとうございました
m(_ _ )m さっそく情報を追記しておきました

 えっと、今回は曲を聴いて戴いた方が話が早いので、まずはYouTubeをどうぞ





 そう。1977~78年にかけて流行ったCMソングのメドレーになってるんですよね
。だから40歳未満の若い世代にとっては、「なんのこっちゃ」でしょうし、逆に私と同世代以上の方は、「懐かし~い」ってな感じでありましょう。曲の中に登場するCMソングのフレーズ(元ネタ)のうち、私が思い出せるもの(うろ覚えを含みます)だけを書き出してみても、ざっとこれだけありました

♪ わ わ わ~ 輪が3つ → ミツワ石鹸
♪ ハダカ天国 ハダカ天国→ 琵琶湖温泉 紅葉パラダイス
♪ ソ ソ ソクラテスかプラトンか みんな悩んで大きくなった → サントリー(ゴールド[ウイスキー]、野坂昭如)
♪ でっかいわ~ → 石丸電気
♪ しんしゅう~いち 即席! → 宮坂醸造(信州一即席みそ汁、ピンク・レディー「ペッパー警部」)
♪ カツランス~ → アデランス?
(商品名を出すのに問題があったのか・・・ 謎ですねぇ)
♪ シャワランビューティー → 牛乳石鹸(シャワランビューティー)
♪ それにつけても → 明治製菓(カール)
♪ どんぶりばっちゃ浮いた浮いた → 日清食品(どん兵衛、川谷拓三、山城新伍)
♪ 私言います母さんに もう一杯→ サントリー(オレンジ50)
♪ まん丸顔の女の子は いい妻になれるって 私ってなれそう? → 資生堂(バスボン、松本ちえこ)
♪ お正月を写そう → 富士フィルム(フジカラー)
♪ 男には飲ませるな~ → サントリー(赤玉パンチ[ソーダ割りワイン]、鳳蘭)
♪ 男は酒を飲むのでしょう → 黄桜酒造(黄桜、河島英五「酒と泪と男と女」)
♪ カステラ一番 電話は二番 → 文明堂(カステラ)
♪ 祟りじゃ 祟りじゃ 祟りじゃ 祟りじゃ → 松竹(「八つ墓村」映画CM)
♪ 近ごろ気になることがある → 花王(ガードハロー)
♪ トイレは臭い 臭いにおいは元から断たなきゃダメ → ジョンソン&ジョンソン(シャット[トイレ消臭剤])
♪ クールクールで春が来る タッチョンパ → ?(エアコン?)
♪ 女は昨日の 顔で待つ → 資生堂(サクセス、ダウンタウンブギウギバンド「サクセス」)


 ちなみにタイトルの「トンデレラ」は、キンチョール(金鳥)のCMに登場したフレーズ “トンデレラ、死ンデレラ” から拝借したものですよね
。上記以外にも、私がピンと来なかったフレーズがまだいくつかありますし、団しん也のモノマネフレーズの方は完全スルーしちゃったので、曲全体では、40~50くらいの流行り言葉がてんこ盛り状態になってます

 この曲では、団しん也はこれっぽっちも歌ってない(実質的に歌ってるのはパロディー・シスターズ
)んですが、もともとはあの古賀政男センセに師事して、1966年に「あいつにゃあいつの夢がある」でデビュー。同年のレコ大新人賞にもノミネートされた“れっきとした歌手”だったというのは、意外と知られていない事実だったりします(私くらいの世代にとっては、“モノマネ上手()のおもろいおじさん”という印象ですなぁ)。

 それはともかく、実は私がとっても興味があるのは、パロディー・シスターズの“正体”ですね
。声の質から判断すると、’70年代から数々のCMソングを歌っておられる藤本房子さんがメンバーの一人であることは間違いないですサントリーオレンジ50石丸電気のオリジナルCMを歌っていたのがそもそも彼女なのですが、「ロック・トンデレラ」に登場する ♪ 私言います母さんに~ と、♪ でっかいわ~ の声が、まさに彼女本人の声そのものなんですよね

 藤本さんのことをご存知ない方はかなり多いと思うので、ここで少し丁寧にご紹介しておきましょう
♪ カルビーの~ポテトチップス♪加ト吉っちゃん加ト吉っちゃん 食べて美味しい加ト吉のエビフライ、 ♪ きのこの山に咲く花はナ~、 ♪ 新ビオフェルミン~、 ♪ 答え一発 カシオミニ!、 ♪ フジッコのおま~めさん♪ ヨンヨンマルマルワンワンワン ツカサのウィークリーマンション、 ♪ ロッテマザービスケット、 ♪ ブーケの香りの金鳥マット! (その他いっぱい) のCMソングを歌っていたのは全部藤本さんですと言えば、私と同世代以上の方ならピンとくるのではないでしょうか。彼女は、’70年代のCMソングに欠かせない存在だったことは言うまでもなく、これまでに歌ったCMソングが約4000本)という、まさに“CM界の女王”という名にふさわしいお方なのです

 藤本房子は、1970年にフォークグループ”ウッドペッカー”の一員としてメジャーデビューしたものの、セールス的には
残念ながら結果を出せずに3年ほどで解散。その後はCMソングやアニメ主題歌の世界に活動の軸足を移して売れっ子となり、’80年代からは、松田聖子楠瀬誠志郎遊佐未森などのコンサートツアーでコーラスメンバーとして活躍しました

 一昨年の夏に紹介した私の中学の同級生(河井英里)もそうだったのですが、藤本さんもまさに、歌謡界における“縁の下の力持ち”と言えるでしょう。歌手として脚光を浴びずとも、そして、世間に名前が知られていなくても、CMソングやアニメソングを通じて沢山の日本人がちゃんと彼女の声を知っている
・・・これって実は凄いことではないでしょうか。「本当に素晴らしい」と心から称賛したい気持ちでいっぱいです

 えっ、
「今回の記事はいつにも増してクダラねぇなぁ」ですって・・・ まあまあ、そんな身も蓋もないこと言わないで下さいよ。私自身、書いてる途中で「こんなの誰か読んでくれるんだろうか」って思ったほどなんですから・・・

 それでは今回はこんなところで
 またお逢いしましょう~