【独偏ベストテン 23-1】 谷山浩子のシングル作品 (1~10位) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 今回は、シンガーソングライターとして1972年にデビューして、今年40周年を迎えた谷山浩子のシングル作品の独偏ベストテンってことでいってみたいと思います。

 この人はですねぇ、まず何といっても透明感のある歌声が魅力
ですよね。それと、彼女の書くファンタジックな詞の世界も、いまだに多くのファンを抱える所以でしょう。ところがそうかと思うと、不倫をテーマにした作品をさらりと出してきたり、一見可愛らしい詞だと思ったら実はオトロシイ意味が隠されていたり・・・と、なかなか油断のならない御仁なのですよ

 例によって今回も、彼女がこれまでにリリースした全シングルA面曲(23作品)から、私の独断と偏見によって10作品をピックアップしました
。第10位から第6位まではさらっと流していきましょうね。ざっとこんな結果になりました()。


第10位 河のほとりに 【オススメ度★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:クニ河内/戸塚修
[1977.3.25発売; オリコン最高位29位; 売り上げ枚数9.6万枚]


第9位 サーカス 【オススメ度★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:平野孝幸
[1982.10.5発売; オリコン最高83位; 売り上げ枚数1.3万枚]

第8位 窓 【オススメ度★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:鷺巣詩郎
[1977.10.10発売; オリコン最高位91位; 売り上げ枚数1.2万枚]

第7位 ラ・ラ・ルウ 【オススメ度★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:鷺巣詩郎
[1984.5.21発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]

第6位 DESERT MOON 【オススメ度★★★】
作詞:デニス・デ・ヤング/谷山浩子、作曲:デニス・デ・ヤング、編曲:鷺巣詩郎
[1984.11.21発売; オリコン最高位55位; 売り上げ枚数2.4万枚]


 さーて、それではいよいよベスト5の発表です
。第5位から順にどうぞ~


第5位 夕焼けリンゴ 【オススメ度★★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:崎谷健次郎、編曲:崎谷健次郎
[1986.8.21発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]


 第5位には、18作目のシングル「夕焼けリンゴ」が入りました
。この曲、彼女のシングルとしては珍しく自作曲ではないのですが、まるで彼女が作ったかのように世界観がピッタリ ・・・崎谷健次郎センセとはかなり相性いいみたいですねぇ

 一人の男性(比喩的に“リンゴ”と表現してるわけです)を同時に愛してしまった二人の女性・・・。でも、男性の心はリンゴのようには分けられないから私が身をひくね、という切なくも悲しい内容なのですが、彼女お得意のメルヘンチックかつファンタジックな表現で、とっても可愛らしい作品に仕上がっています
。いやぁ、それにしてもいい曲だわ~



第4位 風を追いかけて 【オススメ度★★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:瀬尾一三
[1979.9.21発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]


 通算7作目となるシングル。発売当時は売れませんでしたが、曲構成が単純明快だし、メロディーも親しみやすい作品なのではないかと思います
。しかし、谷山浩子本人が「あの頃(80年前後)は辛かった・・・」と述べているように、プライベートでの失恋が尾を引いていた時期に当たっていたためか、とにかく暗いっ・・・ ま、そういうのもひっくるめて、私は谷山ワールドが好きなわけですけど

 あと、この曲は、1968年にメリー・ホプキンがヒットさせた「悲しき天使」の影響をかなーり受けてます
。そして、「この曲、サビの部分にちょっとロシア民謡テイスト入ってるんじゃないの」と思った方は鋭いです 何しろ、「悲しき天使」の原曲というのが、実はロシアの歌謡曲なんですから・・・



第3位 あやつり人形 【オススメ度★★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:ジーノ・メスコリ
[1979.2.21発売; オリコン最高位96位; 売り上げ枚数0.2万枚]


 第3位には、6作目のシングル「あやつり人形」がランクイン。この作品は、フランスの作曲家ジーノ・メスコリがアレンジを担当することで、それまでのシングルと打って変わって、ぐっとシャンソンっぽい仕上がりになっています
。だけどこの曲でも、「あなたを殺す」だの「ナイフ」だの物騒な歌詞が登場したりして、歌詞が「くら~い」のは相変わらず・・・。さすが、“暗さ”では中島みゆき女史と当時一、二を争うシンガーソングライターと言われていた谷山さんだけのことはあります(ほめてんだかけなしてんだか)。それにしても、当時まだ22歳の若さだったとはとても思えませんよねぇ・・・

 ♪ あたし悲しいあやつり人形 あなたはあたしの人形つかい
   いくら逃げても すぐに引き戻されて
   泣きながら泣きながら あなたの腕の中
   人形小屋の幕が上がれば まぶしいライトに照らされながら
   あたしは踊るのあやつり人形 あなたのつくった舞台の上で
   何度も思ったあなたを殺せば あたしは一人で歩けるかしら
   だけどか細いこんな腕では ナイフひとつも握れはしない




第2位 カントリーガール 【オススメ度★★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:山川恵津子
[1980.3.21発売; オリコン最高位55位; 売り上げ枚数4.1万枚]


 谷山浩子8作目のシングル。彼女の全シングルのうち、一番知名度の高いのはおそらくコレでしょう
まっ赤なほっぺをした純朴な女のコが都会の男に振り回されてしまう様子を描いた、切なくもほのぼのとした作品です。これからの時代、この手の曲はもう出てこないでしょうねぇ・・・。そういった意味で、若い世代の方々にぜひ一度は聴いて戴きたい作品です

 ♪ カントリーガール 君の眼の中で 夕焼けが燃える
   カントリーガール 君の微笑みは 草原の匂いがする
   好きだよ


 前奏ナシでいきなり始まる叙情的で甘酸っぱい世界観が、リリース当時15歳だった私にとってちょうど“ビンゴ”だったってことも大きかったと思いますが、それを差し引いても十分に名曲だと思います
。レコードが擦り切れるくらい、この曲を聴きまくっていたあの頃が懐かしいなぁ・・・(遠い目)。



第1位 海の時間 【オススメ度★★★★】
作詞:谷山浩子、作曲:谷山浩子、編曲:斎藤ネコ
[1991.5.21発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]


 '70年代から'80年代初頭にかけて、ひたすら暗い作品ばかりが目立っていた谷山女史ですが、1983年リリースの「たんぽぽ」、「風になれ」あたりから、おおらかで包み込むような独特の世界を描いた作品が増えてきます。1991年にリリースされた「海の時間」は、その“集大成”の位置付けにある
作品といっても良いのではないでしょうか。

  ♪ ずっときみとこうしたかった 寒い夜にベッドの中で
    頬と頬をくっつけ合って 雨の音を聴いているよ
    きみの中指にキスをして きみの髪に顔をうずめて
    きみをほんとに大好きだよ 何度言っても言い足りない
    明かりを消して息をひそめて 始まるよ静かにね
    僕たちのベッドの船が 今滑り出した時を超えて


 上の歌詞をご覧戴ければお分かりの通り、これは“あの”シーンを描いたものですね
。それにしても、なんて神聖で美しい描写なのでしょうか・・・(「お前はそんな柄じゃないだろ?」なんつー鋭すぎるツッコミはなしで)。・・・いやマジで、しみじみと名曲だと思うし、私の独偏ベストテンの1位としては珍しく一般ウケしそうな作品だと思うのですが・・・いかがでしょう




 さてっと。今回の記事はこんな感じですかねぇ
。谷山浩子さんというのはそれなりに知名度がある割には、シングルをひと通り押さえているファンの方ってあんまりいないような印象があるんですが・・・(もともとシングルよりアルバムの方が売れる方ですし、活動歴も長~いですもんね)。今回、独偏ベストテンにランクされた作品のうち、皆さんは何曲ご存知だったでしょうか・・・

 次回の記事は 【独偏ベストテン 23-2】 谷山浩子のシングル作品 (資料&補足編) と銘打ってお送りしますので、皆さん引き続きお付き合い下さいね~

 それでは、またお逢いしましょう