【独偏ベストテン 12-1】 岡田奈々のシングル作品 (1~10位) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 「可憐なイメージの美人タレント」というテーマで、一般人からアンケートをとったら、どのあたりのメンツが上位に来るんでしょうか。世代によって票がばらけそうだし、答える側の性別によっても差がありそうで、個人的にかなり興味があります。・・・で、私がそんなアンケートを受けることになったら、ほぼノータイムで「岡田奈々さんと答えますね。ま、仕方ないよねぇ、昭和40年生まれのオヤヂなんだから(爆)。

 そう、私は、中村雅俊主演のテレビドラマ「俺たちの旅」や「ゆうひが丘の総理大臣」をリアルタイムで楽しんだ世代なんですよね。どちらの番組も、
青春を謳歌する若者の姿を生き生きと描いたストーリー展開が良かったし、ちょっぴり強気な女の子の役柄を演じていた岡田奈々がとっても輝いていて、夢中になって見たもんです・・・(このオヤジは好きな女の子が多すぎるな!・・・とか思うなかれ。当時、彼女の人気といったら、それはそれはスゴイものだったんですから

 ってなわけで、今日の独断と偏見によるシングルベスト10は、岡田奈々でいきますよ。・・・え?「そんな企画が成立するほど彼女はシングル出してるのか」だって?そうか、その質問はごもっとも。彼女は女優のイメージが強いですもんねぇ。だけど、1975年5月のデビューから5年半の間に出したシングルは15枚、結構多いでしょ?一番売れたシングルは「青春の坂道」(10.6万枚)で、大ヒット曲こそないけれど、デビューから12枚目の「だめですか」までは、すべてオリコン100位以内にランクイン。歌手としてもそれなりの売り上げ記録を残したお方なのです。

 岡田奈々のシングルで特筆すべきは、やはり、デビュー曲から7作品連続で作詞を松本隆が担当している点ですね。同じ傾向は、岡田奈々のちょうど一年前に同じレコード会社(NAV)からデビューした木之内みどりにも見られます。松本隆の描く恋愛模様は、生々しくなくてどこか現実離れしたところがありますが、そうしたクリーンな作風が、岡田奈々や木之内みどりのイメージにぴったり合っていました。

 それでは、独偏ベスト10の発表に参りましょう!



1.湘南海岸通り (1978.9.21発売)【オススメ度★★★★】
2.青春の坂道 (1976.3.10発売)【オススメ度★★★★】
3.そよ風と私 (1977.4.10発売)【オススメ度★★★】
4.若い季節 (1976.6.10発売)【オススメ度★★★】
5.手編みのプレゼント (1976.9.10発売)【オススメ度★★★】
6.ひとりごと (1975.5.10発売)【オススメ度★★】
7.賭け (1979.3.21発売)【オススメ度★★】
8.女学生 (1975.8.25発売)【オススメ度★★】
9.バイバイ・ララバイ (1978.2.10発売)【オススメ度★★】
10.らぶ すてっぷ じゃんぷ (1977.7.10発売)【オススメ度★】
次点 求愛専科 (1977.9.25発売)【オススメ度★】


 栄えある1位の「湘南海岸通り」は、皮肉にも彼女がオリコンチャートの100位以内に入れなくなった最初のシングルということになりました。だけどこの曲、彼女のファンだけの作品として終わってしまうのは非常にもったいない、ビートのきいた極上のアイドル歌謡なのです。ちなみに作曲は、70~80年代に数多くのアイドルに作品を提供した馬飼野康二センセ。やぁー、道理で曲が素晴らしいわけだ・・・。そして詞の方もなかなかですよ(作詞は松本隆センセではなく、たかたかし)。

♪ エマニエル夫人には とてもなれないけれど
   あなた私のことを 愛してくれますか
♪ ジョルジュ・サンドのような 恋に憧れています
   あなた私のことを 愛してくれますか


 この辺りの歌詞なんか、高貴でありながら清純な彼女のイメージをかなり意識して作られていることがとっても良く伝わってきます。もっとも、ジョルジュ・サンドと言えば、”ピアノの詩人”ショパンとの恋愛エピソードが有名ですが、実際は、歌詞の中で岡田さんが憧れてるようなロマンチックな関係ではなかったと言われてます。でも、そこはあくまでイメージの世界ってことで、ね

 あとは、曲の途中から彼女が披露する「一人デュエット」をブラスが高らかに盛り上げるあたりも大きな聞きどころになってまーす



 2位の「青春の坂道」は、一般的な知名度も高い彼女の代表曲。この曲の歌詞は、最初から
松本隆センセが付けたわけではなくて、月刊「明星」で一般公募した入選作をベースにしています。この辺の歌詞なんか含蓄があって、何度聞いてもイイんですよねぇ

♪ 青春は長い坂を登るようです
  誰でも息を切らし ひとり立ち止まる
  そんなとき君の手の やさしさに包まれて
  気持ちよく泣けたなら 倖せでしょうね

 作曲の森田公一センセは、クセのある「公一節」というのがない代わりに、淡々と流れるメロディラインの積み重ねで名作を作りあげてしまうのが何とも不思議なお方です。この「青春の坂道」のような「青春モノ」は、センセの十八番(おはこ)ってとこでしょう
 



 3位の「そよ風と私」は、「好きな彼のことを思い悩んでいたけれど、勇気を出してアタックしたら想いが通じた・・・」というストーリーの明るい青春もの。これも作曲は森田センセですね。
♪ すりきれるほど聴き続けたい レコードみたいな人ですね の部分は、さすがに時代を感じさせますが

 ♪ 1・2・3ではずみをつけて せーのであなたにぶつかった

のフレーズとメロディが何とも微笑ましくて印象深い佳曲だと思います。
 


 その他、ベスト10の上位には、50's調のサックスが刻む弾むリズムが耳に心地よい「若い季節」や、”抱きしめる”
(←”抱く”じゃないところに注意ね)アイドル、本領発揮~!ってな感じの切ない歌声が聴ける「手編みのプレゼント」がランクインしました。

 岡田奈々さんといえば、ちょうど3年ほど前に、「行列のできる法律相談所」に出演した時のシーンは衝撃的でした。ご覧になった方おられますか?彼女は
当時すでにアラフィフのはずなのに、昔の「あの」イメージのまんま、年齢をまったく感じさせない美貌だったんですねぇ。そう、まるで彼女の周りだけあの頃のまま、時間が止まったように・・・(遠い目)。