今回は、いきなりベスト10の発表からいきますね。ランキングでは、世間的に売れた作品(1,3,4,7,10あたり)が比較的上位を占めるという、私が選んだにしては真っ当な(?)結果となりました
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1.手紙(由紀さおり)(1972.7.21発売)【オススメ度★★★★★】
2.めまい(石野真子)(1980.7.5発売)【オススメ度★★★★★】
3.積木の部屋(布施明)(1974.3.10発売)【オススメ度★★★★★】
4.熱帯魚(岩崎宏美)(1977.7.5発売)【オススメ度★★★★】
5.土曜日のシンデレラ(北原佐和子)(1982.9.10発売)【オススメ度★★★】
6.とびだせ初恋(浅野ゆう子)(1974.5.25発売)【オススメ度★★★】
7.弟よ(内藤やす子)(1975.11.1発売)【オススメ度★★★】
8.それからどうするの(夏木マリ)(1974.11.10発売)【オススメ度★★】
9.白い週末(アン・ルイス)(1971.2.25発売)【オススメ度★★】
10.他人の関係(金井克子)(1973.3.21発売)【オススメ度★★】
川口真センセは、主に70年代にメジャー系実力派歌手からマイナーアイドルまで、数多くの歌手に作品を提供したコンポーザーです。マイナー調の歌謡曲は数多ありますが、川口センセの書くマイナーコードの作品は特に、ドラマティックでオリジナリティに富んだ、心の琴線に深く触れる秀作が多く、繰り返し聞きたくなる曲が多いのが大きな特徴です。ランクインした作品の中では、1~4,7あたりがその典型と言えますね。また、お得意のマイナーコードに、微妙なさじ加減でメジャーコードを搦めた重層構造で、変化に富むメロディを楽しませてくれる作風(ベスト10では2~6あたりが該当)も目立ちます。
栄えある1位の「手紙」は、70年代歌謡曲の白眉といっても過言ではない大ヒット曲。90年代に活躍したロックバンドで、「JAM」「BURN」などの大ヒットシングルで知られるイエモン(THE YELLOW MONKEY)の吉井和哉をして、「自分の音楽の原点は由紀さおりの歌(具体的には「夜明けのスキャット」や「手紙」を指す)にある」と言わしめたエピソード(吉井はその後アルバム内で「夜明けのスキャット」をカバー)、そして、イエモンの作品群が歌謡曲テイストを色濃く帯びていることは有名です。(一部事実誤認がありました。ここにお詫びと共に訂正いたします。
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2位の「めまい」は、石野真子の10曲目のシングル。彼女の場合どうしても明るいシングル作品ばかりに目が行きがちですし、かなり人気が低下した時期にリリースされた作品ということもあって世間的な知名度が低いのが大変惜しい作品です。
♪ 私はもうあなたに夢中よ 波打ち際まで走ったまぶしい日から
はじけそうなこの胸この愛 Tシャツのままで泳ぎたいほど
あたりのメロディーの高揚感と切迫感はまさに感動もので、思わずグッときます。歌詞に「サンタナ」が登場するなど、やや古さを感じさせる部分もありますが、歌謡曲全体を俯瞰する上で押さえておきたい名曲だと思うので
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3位の「積木の部屋」は、言わずと知れた布施明のヒット曲。カンツォーネ風の曲に四畳半フォークの世界を髣髴とさせる詞を乗せたという、考えてみれば非常に奇異なテイストの作品と言えますが、これが見事に「和製カンツォーネ」として成立しているのが不思議なところ。♪君にできることは ボタン付けと掃除~ だなんて、世が世ならジェンダー問題として物議を醸しそうな歌詞もあったりなんかして(作詞は有馬三恵子)、この作品が世間に支持されたのは、やっぱり川口センセの曲が余りにも素晴らしかったからに違いない・・・なーんて思っているのは私だけでしょうか
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今回は惜しくも選に漏れましたが、「薔薇とピストル」(ギャル)、「ねえ」(麻丘めぐみ)、「愛してます」(河合奈保子)あたりも、センセらしさが垣間見える佳曲ということで挙げておきます。
最後に川口真センセについて。個人的には、昭和歌謡の一翼を担った偉大な存在としてもっと高く評価されても良いコンポーザーだと思っているのですが、皆さんはどのようにお感じになりますか
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