2020年、秋も終わりの頃の事です。
東北に住む義父が癌と診断され、3回抗がん剤治療をしましたが効かず、もうできる治療がない状態になっていました。
(前回の話はこちら)
入院したままという選択肢もありましたが、義父から看護を頼まれたツバサちゃんは、「入院したままだと、みんなに会えないから」と、義父を義実家で看ることにしました。
(ツバサちゃんは、旦那の妹です)
そして、もう冬が近くなった頃の水曜日の夜に、義父から電話がありました。
ずっと、義父は旦那とだけ電話で話していたので、義父の声を聞いたのは、お正月以来でした。
「今日、退院しました。〇〇(旦那)いますか?」
「ああ、お久しぶりです。ちょっとお待ちください。代わりますね」
と短いやり取りでしたが電話の義父の声は、いつもと変わりませんでした。
義父と話した旦那は
「今まで、(義実家に)来るなって言っていたのに、退院したからすぐ来いって言われた。週末行ってくる」と言いました。
しかし、週末を待たず、金曜日の早朝にツバサちゃんから旦那に「今日、来て欲しい」と電話があり急遽、旦那は義実家へ行くことになりました。
旦那には、私が義父に送ろうと思っていたアルバムを持って行ってもらいました。
(アルバムの話はこちら)
私は、ツバサちゃんからの急な呼び出しで、私も息子たちを連れて行かなければならないだろうと予感していました。
息子たちには簡単に、義父の様子は伝えてはいましたが私たち自身が、義父の容態の深刻さを理解していなかったので、息子たちにもそれは伝わっていませんでした。
なので、旦那が朝早く出かけた後、起きて来た長男のカイと次男のリクには、
「今朝、パパが〇〇(義実家)へ行ったの。泊まってくるって。明日は、皆も行くことになるかもしれない」と予告しておきました。
二人とも、とりあえずは黙って聞いていました。
(続きます)