国税庁質疑応答事例88 引当金・準備金④ 私的整理手続により弁済期限を延長した金銭債権 | 税理士こーちゃん・たかちゃん・だんちゃんと男女7人の○○な話

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【照会要旨】

 甲社は、この数年間業績不振が続いており、債務超過の状態に陥ったことから、今般、中小企業再生支援協議会の支援を受けて再生計画を策定し、C銀行を含む全金融債権者がこの再生計画に同意して負債整理を行うこととなりました。この再生計画は、甲社の大口債権者であるA銀行とB銀行が、同一の基準により債権放棄を行い、少額債権者であるC銀行は、債権放棄を行わず甲社との契約に基づき甲社に対する既存の貸付金の弁済期日を15年先に延長し、かつ、弁済期日に一括弁済する旨の条件変更を行うといった内容です
 このような状況からC銀行においては、甲社に対する貸付金について法人税法第52条第1項に規定する個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の計上を考えていますが、上記のような再生計画に基づく契約は、法人税法施行規則第25条の2の「行政機関、金融機関その他第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容が合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの」に該当し、個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入事由が生じていると解して差し支えありませんか。

【回答要旨】

 照会意見のとおりに解して差し支えありません。

 

(理由)

1 法人(中小法人、銀行、保険会社等一定の法人に限ります。)が有する金銭債権について、その債務者につき生じた更生計画認可の決定等の「特定事由」に基づき、その弁済期限の延長等(弁済猶予、分割払)が行われた場合には、その金銭債権の額のうち特定事由が生じた日の属する事業年度終了の日の翌日から5年を経過する日までに弁済を受けることとなっている金額以外の金額、すなわち6年目以降に弁済される金額(担保等での取立見込額を除きます。)について、個別評価金銭債権に係る貸倒引当金勘定へ繰り入れることにより損金の額に算入することができます(法法521、法令961一)。

 

2 このいわゆる長期棚上げ債権に係る貸倒引当金の繰入事由(特定事由)には、法令の規定によらない整理手続によるものとして

1債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの」及び

2行政機関、金融機関その他第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容が1に準ずるもの」が掲げられています(法令961一ニ、法規25の2)。

 

3 照会の再生計画に基づくC銀行と甲社との契約は、債務超過の状態にある甲社(債務者)が第三者である中小企業再生支援協議会の支援を受けて策定した再生計画に基づき締結された契約であり、その内容が全金融債権者が同意した再生計画に基づき負債整理を行うものであることから、債権額の多寡等に応じ、A銀行及びB銀行のように債権放棄を行った大口債権者が存在する一方で、C銀行のような少額債権者が債権放棄を行わず弁済期限の延長を行う場合についても、法人税法施行規則第25条の2の「行政機関、金融機関その他第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容が合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの」に該当すると解され、個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入事由が生じていることとなります。

 

 

 

 

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