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ウィンテルフィギュア怪奇譚

超像可動・figma・フィギュアーツをメインに、フィギュア劇を撮影し公開しているブログです。
ほか、アニメやフィギュアの雑記や、ガチャ商品の購入報告などを行っています。

今回はナイフを握る時に手に当たる部分である、ハンドル(スケール)材の紹介をします。


ぶっちゃけると「握って滑らない」という性能だけにフォーカスすれば、ベストはゴム製です。

ゴムは安く最強に滑りにくく、破滅的な(即刻使用不可能になるような)破壊が起きにくいという利点がありますが、美観の点では他の素材に勝てません。

そもそも木を削ってハンドルにしていた時代からの伝統や、芸術品としてのナイフ、コレクション品としてなど、ナイフの歴史を振り返れば、単純に機能性だけを求めるのがナイフ文化でないことには気づくでしょう。

そんなハンドル材は伝統的な木製のものから最新技術を用いた超剛性プラスチックまで様々で、かなり多くの選択肢から選べる時代になっています。

ここでは多くのナイフに用いられている人気のハンドル材を紹介していきます。

語るのに欠かせない素材が多いので、ちょっと長いです。



まずはコレですね、木製ハンドル

見た目でこれに勝てるハンドル材は無いでしょう。

画像はカーリーバーチと呼ばれるフィンランドを代表する木材で、ヨーロッパでは伝統的なウッドハンドルと言えばカーリーバーチのことです。

木材の最大の利点は美観の良さで、人工物には絶対に出せない模様、色、香りなどがあり、同じものも二つと存在しません。

デメリットも幾つかあり、まず耐久性は人工物と比べてかなり低いです。衝撃で割れるリスクが高く、扱いに注意が必要。そして適切なメンテナンスを行わなければ劣化もしやすい点があります。

更に木材は種類が豊富で、メーカーが自分の好きな種類の木を使ってくれるとは限りません。特にカーリーバーチは部位によって表情がまるで違う木材なので、博打のような買い物になってしまう可能性もあります。

「耐久性やメンテナンス性を犠牲にしてでも、カッコいい木製にこだわりたい!」これが木製を選ぶほとんどの人の理由ではないでしょうか。




次に紹介するのはG10(ジーテン)です。

簡単に言えばグラスファイバーを樹脂に浸けて高圧下で固めた素材です。

あまり聞き慣れないと思いますが、私もナイフを知るまで聞いたことのない素材でした。

端的に言うと弱点のないハンドル材です。

金属並みに硬く、金属よりずっと軽く、加工が容易で、色も自由に付けることができます。しかも比較的安価。

普通にしていると滑りに強い表面ではないですが、加工しやすいので削って凹凸の滑り止めを設けたりできるので対策可能。

10年使っても見た目に変化がないと言われる、まさに最強の素材です。

あえて欠点を挙げるなら、手触りを重視して滑らかな表面にすると少し滑りやすくなること。そしていかにも人工物、という外見なので、高級感は出しにくい点。ブラックだと高級感も出るので、高いナイフに採用されるケースも。

「見た目の雰囲気は気にしないからとにかく頑丈なのが欲しい!」という人は、ゴムかG10から検討するといいと思います。木材と対極にある素材と言えるかも知れませんね。





次はマイカルタをご紹介します。

これも聞き慣れない名前と思いますが、ナイフ愛好家の間では最もポピュラーなハンドル材です。

紙や麻布、綿布などを樹脂に浸し、高圧下で固めた積層プラスチックの一種。

G10ほどでないにしろ頑丈で軽く、加工もしやすいです。

最大の特徴は、布などの積層構造によって、切削した面が木目のような模様を描く点です。

人工物でありながら天然木のような雰囲気を出し、ざらっとした布のような質感が滑りにくくし、濡れると水を吸うので更にグリップ力が高まるという特徴があります。

見た目のナチュラル感や高級感を演出しながら、値段はそれほど高くないので、今やありとあらゆるメーカーのナイフに使われています。

個人的に一番好きなハンドル材でもあります。

最初は木製ハンドルにしか興味がないという人は多いと思うんですが、マイカルタは本当に天然っぽいのに頑丈でカッコいいです。騙されたと思って、二本目はマイカルタを選んで欲しいなと思っています。

「森に馴染む質感でありながら、木より頑丈で滑りにくい」という、自然派にもオススメできる素晴らしい素材です。



さて、お次はカーボンファイバーの説明です。

基礎はG10やマイカルタと同じで、繊維質を樹脂で浸して高圧で固めたもので、カーボンファイバーはそれが炭素繊維になっています。

特徴は何と言ってもその硬さで、金属より硬く、G10よりも軽いというスーパー素材。

しかし欠点もあり、まずグリップ力は強くないこと、そして加工も容易ではありません。

バリエーションも無いので、見た目は繊維を織り込んだダークグレーのみとなります。

更にとても高級で、非常に高価なナイフになります。

外見でカーボンファイバーと分かるので、「高級で洗練された都会的な外観のハイエンドナイフを持ちたい」という人のニーズに応える、コレクター向けのハンドル材となっています。

そんなわけで私は持っていません。外見が好みでなくてよかった…



はい、そんなカーボンファイバーの外観のバリエーションを増やしつつ、素材の良い部分を活かしたまま誕生したのがこのファットカーボンです。

ファットカーボン社が開発した新素材で、有機顔料などを混ぜて全く新しい模様を生み出したすごい素材です。

青の他に赤や紫など様々にバリエーションがあり、ノーマルカーボンの不満点だった冷たい印象を払拭してしまいました。

これが超カッコよくてですね、色んなメーカーが取り入れてマニアの心を掴んでいます。

値段はマイカルタと変えただけで80ドルくらい高くなるので、よく考えてから購入しましょう。


他にもシュレッドカーボンという物があって、砕いたカーボンファイバーに金属フレークや顔料を混ぜて複雑な柄を作り出した素材もあります。

カーボンファイバーも知らないところで奥深くなっていたんですね。



アルミニウムハンドルも欠かせない素材のひとつです。

強度はきちんとしたメーカーの物ならしっかりあるし、加工もしやすいので溝を作って滑り止めにしたりもできます。チタンに比べるとかなり安価なので、手の届く範囲なのも魅力。

まあまあな重みがあるのがデメリットですが、この重厚感が案外良くて人によってはメリットにもなるかも。私はそうです。

写真のように色のついたコーティングで触った質感も上げることが可能なので、なかなか侮れない人気スケールです。

最大のデメリットは金属なので気温に左右されやすい点で、冬場は絶望的に冷たくなるので使えたもんじゃない、という意見が多数。

「金属のドライでクールな質感が好き」という人にはブッ刺さるカッコいいスケールです。



金属の最高峰といえばチタンハンドルです。

軽さや硬さ、加工のしやすさも魅力ですが、耐食性が高いのでダイビングナイフなどにもうってつけ。

表面コーティングで模様を描く事もできるので、個性的なナイフがいくつもあります。

熱伝導率が低いので常に冷ためなのが小さな欠点ですが、そんな事よりアホみたいに高価なことが最大の欠点かも知れません。

持っているだけでリッチなのが分かる高級素材です。





こちらはレジン

同じものにならない独特のマーブル模様と、バリエーション豊かな色合いが特徴。

強度こそG10に比べれば低いですが、レジンでしか表現できない個性が非常に魅力的。

滑りやすいとか、触ってみると普通のプラスチックだなと思うようなデメリットもありますが「ちょっと普通の素材に飽きてきた時にふと欲しくなる飛び抜けた個性」が好きです。

ナイフ向きかと言われるとそうでもない部分もあるので、あまり人気があるスケールではありません。




最も安い素材と言われるFRN(フィブロックス強化ナイロン)

ナイロンにガラス繊維を混ぜて成形されたもので、金属並みの硬さがありながら柔軟性も持ち、ある程度の衝撃を吸収できる素材です。

安価で射出成形が可能なため、複雑な形状を再現可能。色のバリエーションも無限大で、ピンクやオレンジも普通に売っています。

スパイダルコが多用し、アメリカ製でありながら手の届く価格に抑えて普及させたことでフォールディングナイフの素材として認知されました。

性能は良いのですが、どうしても触った質感に安っぽさが出てしまうのがデメリット。実際価格も安いので、高級ナイフや質感重視の中級ナイフにも不向きで、バジェットナイフによく見られます。

「質感や高級感より、安上がりでいいから色で個性を出したい」というニーズにぴったり。

 


こちらはPEI(ポリエーテルイミド)

剛性と耐熱性、化学的な安定性が非常に高く、航空機のエンジン周りなど信頼性が必須なパーツに使われるスーパープラスチックです。

ぶっ叩いても鋼材の方から壊れるくらい硬いので信頼性は高いのですが、色のバリエーションが半透明かクリアアンバーくらいしかないのでファンは限られます。クリアなので透ける演出として面白いですが、透ける素材だとアクリルに横取りされたりします。

値段もマイカルタよりちょっとだけ高いので、スケール違いで並べられるとどうしても選ばれにくい素材ではあります。

森にあまり似合わず都会的な見た目なので、EDC(日常の持ち運び)ナイフでたまに見かける程度です。

「ちょっと変な素材を持ってるマニアだと思われたい」人にはちょうど良いです。



最後はボーン(骨)とスタッグ(鹿角)です。

ど直球天然素材で、実際の生き物から採られた素材の質感は他では表現できません。

古くから伝統的に利用されてきたものですが、現代的な素材と比べると「適度に硬い」以外に性能的に秀でた部分はありません。

滑りやすいし破損のリスクも高い。

角は削って凹凸を増やして持ちやすくした物が主流。

骨は染色して赤や茶色にした物が多いです。

性能は高くなくとも質感は大自然そのものなので「フィールドワーク等で雄大な自然の雰囲気を重視したい人」に、絶対の人気を誇る天然素材です。




以上で解説を終わります。


長くなってしまったので簡潔にまとめますが、要するに現在のナイフのハンドル素材はあまりにも多種多様なので、好みを見つけるまでがちょっと大変ということです。

なので、最初に勧めやすい素材として、私は「木製」「G10」「マイカルタ」を推します。

これでちょっと物足りなくなったら他の物にも手を出してみよう、くらいの感じでハンドル材に触れてみるのがいいと考えています。


今回は以上です。


雑記おわり