?「みんな~っ!今日は私のライブに来てくれてありがとう!」
?「私が冬王町へ来て三年経ったけれど…この町で過ごす日々は本当に幸せ。毎日楽しくて、私が生きる意味を実感させてくれる。」
?「そんな感謝の気持ちを歌にしたので、聴いてください。」
?『ウィークエンド・シャッフル!』
~~♪
ワァーーーーッ!!
ー四日前ー
ミク「ぐぬぬぬぬ…!」
ミク「毎年毎年新しい雪ミクとレーシングミクが現れ…figmaやねんどろいどでは今さら桜ミクが立体化されて反響を得ている…」
ミク「もはやあたしの事を覚えているファンなんていないに等しい。」
ミク「どちくしょうがおんどりゃああ!」
バコォン!
ミク「…やっぱりあたしの人生…いやボカロ生…間違いだらけだったのかしら…」
ミク「まぁいいや、シエルの店で極上スイーツ食べて元気出そう。」
ミク「フフフ~ン♪」
ミク「雪ミクなのに~冬にまつわること一回もやってないよフフフ~ン♪」
ミク「あっ、希。おはよ。」
希「えっ、ウチ?」
希「…しかおらんよな、えぇーと…」
希「おはようさん。」
そそくさそそくさ…
ミク「……?」
ミク「えっ、なに今の…一瞬他人のフリしようとしてなかった?」
ミク「もしや新手の嫌がらせッ!?」
ミク「いやいやいやそういう悪質なやつを希がやると思えないし、これ多分あたしのせいだわ…思い出せ、何か希にやっちゃマズいことした経歴があるはずよ、怒らせた理由があるんだ思い出せあたし…」
ミク「分かんないからいいや。」
トコトコトコ
ミク「あ~でもやっぱ気になる!あたしにムカついてんならいっそのことストレートに殴ってくれる方が分かりやすいし良いんだけどなぁ~!」
ミク「やっぱり問い詰めて一発…」
ミク「腹部に…殴打……」
ミク「えっ?」
?「皆さん、今日も私の路上ライブにお集まりいただき、ありがとうございます。」
初音ミク「初音ミクです。」
ミク「!?」
初音ミク「私がこの町に来てもうすぐ三年。でも、今日も変わらずに、皆さんに大好きな歌を届けたいと思います。聴いてください…」
ミク『スノー・パラダイス!』
~~♪
~~♪
~~♪
メイス「うむ。いつ聴いてもいい歌声だ。」
ミク「ねぇメイス…今あのミク、もうすぐ三年って言ってたけど、そんなに長くこの町にいたかしら?」
メイス「ん?なんだ、君も初音ミクか?」
ミク「ミクだよ忘れんな!」
ミク「あたしは世界中で活躍する、数多の初音ミクの一人。でもあのミクをこの町で見るのは初めてのはずなんだけど。」
メイス「そりゃそうだろう、私は君を見るのが初めてだ。君はこの町に来たのは最近か?あのミクは冬王町に三年ほど住んでいて、ほとんど毎日ああやって路上ライブで我々を癒してくれている。」
ミク「……??」
メイス「君も歌は上手いのか?まぁ、初音ミクは何人いてもいいはずだ。この町での活躍を期待しているよ。」
ミク「………」
ミク(あぁ、これはヤバいな。メイスはマジで私のこと忘れてる。)
ミク(逆にあの知らないミクが有名になっていて…あたしと入れ替わってるみたいな状況だ。たぶん何らかの『攻撃』か『現象』か…スタンド能力?怪異?)
ミク(希もきっと、この現象のためにあたしのこと忘れてたんだ。良かった、あたしが傷つけたからじゃなかったのね。)
ミク(それにしても、楽しそうだなぁ。どんな原因だろうと、今の状況に攻撃性は感じないし…焦らなくてもいいよね?)
~~♪
ミク(いい曲だ。聴き終えるまで待ってから、あのミクに話を聞いてみよう。)
~~♪
初音ミク「あおいちゃん、お疲れさま。今日も最高の演奏だったよ、ありがとう!」
あおい「サンキュー。ほんじゃアタシは帰るね、ばいばい~。」
初音ミク「うん、またよろしくね!」
あおい「もちろん!」
初音ミク「…あなた…」
ミク「………」
初音ミク「私のライブ、ずっと聴いてくれてたよね。ありがとう。あなたもこの町で活動したいミクなの?」
ミク「別に、活動する気はないわ。」
ミク「とりあえず、最初に聞かせて。」
初音ミク「なにを?」
ミク「この現象って、あなたの仕業なの?」
初音ミク「………」
初音ミク「なんのことかな?」
その2へ続く