ー前回までのあらすじ
スルトの仮面をダダに取り付け、わざと倒させる。
そして弱った仮面を支配してパワーを得る…
全てはスピリチア星人・フォーチュンの計画だった。
雷神すら敵わないパワーを前に絶体絶命の危機に陥るが、そこへ現れたのはロキだった。
「私の言うことを聞けば解決する」
ソー「どういう事だ、ちゃんとわけを話せ。」
ロキ「数日前、私の持つスルトの仮面を狙う何者かの存在を察知した。」
ロキ「だがなかなか尻尾を見せないから兄さんに『あえて』回収させて隙を作り…出て来たところを一網打尽にする作戦だった。」
ソー「貴様…!」
ロキ「慌てるな、大事なのはこれからだ。」
ボッ!
ソー「うぐああっ!」
スゥッ
ネビュラ「!」
ロキ「いいか、相手がスピリチア星人だと分かったのなら、弱点は魂のような存在に直接作用するパワーだ。さらに邪悪なスルトのパワーにも効く能力と言えば…」
ロキ「プリキュアだ。」
シエル「!」
シエル「どうすればいい!?」
ロキ「とっておきの浄化の一撃を叩き込めばいい。できるかな?」
シエル「………」
シエル「キラキラルが要るわ。」
ネビュラ「なんだそれは、どうすれば集められる?」
シエル「スイーツ。」
ネビュラ「は?」
シエル「美雲、スイーツを作って。」
美雲「それはいいけれど…具材が無いわね。」
橘さん「それなら俺が持ってる。買い出しの途中だったからな、砂糖とかあるぞ。」
シエル「素晴らしいわ、橘さん。」
ガサゴソ…
シエル「………」
シエル「うん、いける!」
シエル「カルメ焼きを作るわ。水と砂糖と卵だけ、日本のクラシックスイーツ。」
ダダ「おお…!」
橘さん「でもあれは火がいるだろ。」
ロキ「心配ないな。ネビュラ、その左腕…アレが付いてるんだろ?」
ネビュラ「…付いてない。」
ロキ「嘘は良くない。事態を考えろ、下手な意地を張るときか?」
ネビュラ「………」
ボッ
ネビュラ「キッチン機能が…付いている…」
ダダ「まあ、システマティック!」
ボワッ!
ソー「そろそろ誰か助けてくれ!死ぬ!」
シエル「ソー!いま行くわ!」
橘さん「俺は守りに入る!」
シエル「頼んだわよ、みんな…!」
美雲「ねぇ、殺伐とした場所で作ると味気ないから…歌っていいかしら?」
ダダ「おま、こんな状況で…」
ネビュラ「歌え。生で聴きたい。」
美雲「ふっ、あたしの歌を真横で聴けるなんて…こんなサービス、滅多にないわよ。」
美雲「あたしの歌を聞けぇぇっ!」
美雲『破滅の純情!』
♫~~
♫~~
シエル「夢と希望を、レッツ・ラ・まぜまぜ!」
シエル「ウィ・スタート・スイーツタイム!」
♪燃え上がる瓦礫の上に立っている
いつからか 何故だろうか 忘れたけど
息継ぎもできない 炎の中では
探しても 見つけても 意味がないよ
壊せ 超えろ 過去のエクスタシー
たとえ最悪でも 未来を選べ
「い・く・よ」
♪ギリギリまで Love Forever
悶えるほど 歌えば
魂は とぐろを巻き yeah
それでもまだ叫べば
生きることに 滾れば その先は
破滅の純情!!
美雲「できあがり♪」
ズダァン!!
ソー「お前がこんな所で…本気出すなんてな…」
ロキ「言ったろ兄さん、私はこの町を気に入っている。分かってくれたか?」
ソー「分かったよ、痛いほど。」
ソー「ギブアップだ!あとは頼む!」
美雲「受け取りなさい、戸田恵子!」
ダダ「戸田恵子?」
ピューン!
バシッ!
シエル「コレよコレ…!いただきます!」
ぱくっ!
もぐもぐ…もぐもぐ…
シエル「オゥエエエエエッ!!」
シエル「イ、イカ…イカみたいな味がするわ!まっず!不味すぎヴォェェェエ!」
美雲「イカを入れたから当たり前よね。」
ネビュラ「余計なアレンジやめろ!」
ピカーーーン!!
シエル「でも大丈夫!」
シエル「これよ…!あたしが求めていたキラキラル!あんなに不味いスイーツだって…作る人が本気で心を込めたからこれだけの光になるんだわ!」
シエル「分かったわよ、あゆみ!」
ボワッ!!
シエル「っきゃああああっ!」
ダダ「シエル~~っ!」
フォーチュン「チュチュチュン…どんな大技が出るか知らないけど、撃たせなきゃ意味はないんじゃなくってェ?」
ダダ「ソーもロキもギャレンも倒れたずら…オ、オラたちじゃもうフォーチュンを抑えるのは…!」
ボワッ!
シエル「きゃあああっ!」
橘さん「まだ…諦めるには早い…!」
ダダ「ギャレン…?」
シュッ!
『バレット・ファイア・ラピッド』
キュィィーーン…!
橘さん「ネビュラ…俺の身体はボロボロだ…だが、お前がこれを撃て…!」
ネビュラ「タチバナ…!」
ネビュラ「私はお前を利用して傷を負わせた…こんなことになるとは思わず…」
橘さん「ふざけるな。」
橘さん「それはお前が今果たそうとしている事と…関係あるのか?」
ネビュラ「……!」
ダッ!!
ネビュラ「構えろシエル!」
シエル「ウィー!」
フォーチュン「無ぅ駄アアァァァァ!!」
ゴオッ!!
シエル「くっ…!あと少し…あと少しなのに…!」
ダダ「ダメだ…まだ足りない…あと少しだけ足止めできればきっと…!」
ダダ「オ、オラが…」
ダダ「……死ぬんだろうなぁ…まぁでも、どの道同じだずら…」
フォーチュン「チュチュチュチュン!チューチュチュチュチュン!」
ドッドッ…ドッドッ…
ドッドッ…ドッドッ…
ドッドッ…!ドッドッ…!
フォーチュン「チュン?」
がばっ!!
ダダ「今だずらーーーーーっ!!」
シエル「ダダ!?やめて!死ぬわよ!」
ダダ「故郷を失った宇宙人が必死に戦ってるのに…!同じようなオラだけ見ているわけにはいかないずら!」
ダダ「いいから早くやれーーーっ!!」
ネビュラ「うおおおおおッ!!」
『バーニングショット』
ドゥン!!
バゴォォン!!
フォーチュン「ぐぅぅおぉ…!?」
シエル「ネビュラ。あの時あなたに伝えられなかった、『私が求めるものは何?』って問いだけど…」
ネビュラ「もういい、言うな。私の負けでいい。」
ネビュラ「菓子は世界を救う。」
シエル「……!」
シエル「パルフェ!!」
ピカッ!
『キラクルレインボー!!』
ブワアアァァァッ!!
フォーチュン「うーっざい…」
《ダダ0721号》へ続く
ほぼまとまりの無いカオスなメンバーをレッツラまぜまぜしたバトルでした。我ながらよくここまで纏めたなとw
サイボーグと異星人と歌姫が義手でカルメ焼きを焼いてプリキュアがゲロを吐く話。でも勝った。
ちなみに虹なので7人です。ここ重要。
あと美雲の近頃の大活躍は、当初自分が想定していた扱いを遥かに超えるものでした。
ほんといいキャラクターです、デルタ本編だけに留めるのが本当に勿体ないので、一人(とバサラみたいなバルキリー乗り)で旅に出てその先々で歌うスピンオフとか作ってくれないかなぁ…