なんだか、その女の人が気の毒な気もした。
だからって、今回の事は許されないが。
でも…きっと、ヒョンの事が好きだったんだろうな…。
僕は、そのユナさんていう人の事を思って、胸を痛めた。
ガチャ…。
病室のドアが開いて、ヒョンのお母さんが入って来た。
僕の顔を見て、
「あなた…どうしてここに?」
「すみません…」
「出て行って!
あなたの顔など、見たくもない!」
そう言うと、僕の持ってきた花束を、突き返した。
それを見たヒョンが、
「おふくろ、そんな言い方はないだろ!
チャンミナは、俺の大切な人なんだよ。」
身体を起こして、言ってくれる。
お母さんが耳を塞いだ。
「やめて、聞きたくもない!
なんて…汚らわしい。
男同士なのよ、あなたたちは。」
ヒョンも負けずに、
「男同士だから、どうだって言うんだ。
まったく…男とか女とか、そんなの関係ねぇんだよ。
俺は、人としてこいつを愛してるんだから!」
そう、叫ぶように言った。
ヒョンの言葉に、涙が出そうになる。
だけど、これ以上ここにいたら、ヒョンとお母さんの仲が、険悪になってしまう。
僕は、ここを去ることにした。
病院を出ると、大学に向かった。
だけど、授業に顔を出すも、まったく集中出来ない。
ヒョンのお母さんの顔が、頭をよぎっては消えてゆく。
僕たちは、許されない間柄なんだって現実を、否応無く突きつけられた。
ヒョン…僕たちは、これからどうなってゆくんだろう…。
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