ヒョンに付き添って、救急病院に向かった。
救急隊員の方に、何かの液体を浴びせられた事を説明する。
ヒョンの上半身が脱がされ、背中があらわになる。
そこは、真っ赤にただれ、痛々しい状態になっていた。
僕をかばってくれたせいで...。
ヒョン、ごめんなさい...。
あの女の人は、明らかに僕の顔を狙っていた。
ヒョンがかばってくれなかったら、今ごろは...。
そう思うと、いたたまれなくなる。
病院に着くと、ヒョンは手術室に運ばれた。
僕は、ヒョンの無事を祈りながら、永遠とも思える時間を待った。
やがて、手術室のランプが消え、お医者さんが出てきた。
ヒョンは、硫酸系の液体を浴びせられたとの事。
重症な薬傷を負い、しばらく入院が必要だと言われた。
それから、ヒョンのご両親が駆けつけて来た。
頭を下げて挨拶すると、
「あとは我々がついているから、今日はお帰り下さい。」
丁重に言われた。
僕は、病室をあとにした。
家に帰っても、ヒョンが心配で、ほとんど寝る事が出来なかった。
次の日。
僕は病院に向かった。
ヒョンの病室まで来ると、ドアをノックする。
「はい。」
ヒョンの声がした。
病室の中に入ると、肩から背中にかけて、包帯が巻かれたヒョンがいた。
「よう、チャンミナ!」
元気そうに、手を上げる。
僕は涙をこらえ、
「ヒョン...すいませんでした。
僕の...せいで、こんな事になってしまって。」
なんとか言葉を出した。
「チャンミナのせいじゃないんだよ。
すべては、俺が原因なんだから。」
僕は、花を花瓶にいけつつ、ヒョンから、その女の人の事を聞いた。
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