シェヘラザード87 | 僕はここにいるよ。

僕はここにいるよ。

ホミンの小説を、好き勝手に書いてます。
きわどい内容もあるので、ご注意下さい。

次の日。
俺は寝不足のまま、会社に出社した。

昨夜のユナさんが、頭にこびりついて、離れない。
俺が、あんな風にしてしまったんだな…。

罪悪感で、胸が締め付けられた。

だけど、どうする事も出来ない。
俺には、チャンミナしかいないんだから。

夜、仕事が終わって、チャンミナに連絡を取る。

約束した場所で待っていると、チャンミナがやって来た。
俺たちは、久しぶりにデートを楽しむ予定だ。

ダーツバーに入ると、お酒を飲みながら、ダーツをする。
チャンミナが、意外な才能を見せ、高得点を稼いでいく。

結局、かなりの差をつけられて、チャンミナに負けてしまった。

「チャンミナすごい!
めちゃ上手じゃん。」
負けた俺は、悔しさよりも、誇らしさの方が勝り、素直に嬉しかった。

「ありがとうございます...」
嬉しそうに、少し顔を赤らめる。

くぅ〜、可愛いすぎる!
場所が違えば、抱きしめてるぜ。

バーを出ると、少し酔ったチャンミナを連れ、俺のうちに向かった。
タクシーを降りて、我が家までもう少し、という所だった。

コツコツというハイヒールの音が聞こえた。

ハッと振り返ると、ユナさんが、バッグに手を入れながら、俺達に近づいてくる。
そのバッグから出て来たのは、透明な液体の入った瓶だった。

何やらブツブツ言いながら、その瓶の中身をチャンミナに向かって、ぶちまけようとする。

とっさに俺はチャンミナをかばい、自分の身体を投げ出した。
その瞬間、肩から背中にかけて、経験した事のない激痛が走った。

「くっ!」
思わずうなって、その場でうずくまる。
チャンミナの悲鳴が聞こえた。

「ヒョンっ!
大丈夫ですかっ!」
俺は、激痛に耐えながら、
「ああ...。
チャンミナ...は、大丈夫か...?」
なんとか言葉にする。

遠くから、救急車のサイレンが聞こえた。

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