シェヘラザード90 | 僕はここにいるよ。

僕はここにいるよ。

ホミンの小説を、好き勝手に書いてます。
きわどい内容もあるので、ご注意下さい。

《Y サイド》

ユナさんが逮捕されたと聞いた。
どうやら、自分から警察署に、出頭して来たらしい。

彼女を、ここまで追い詰めてしまった、自分の浅はかさを悔やんだ。

ユナさん、ごめんなさい…。
俺は、あなたの人生をめちゃくちゃにしてしまった…。

シーツをギュッと握りしめて、この現実を重く受け止める。

ドアが開いて、おふくろが入って来た。

俺は、おふくろに、
「チャンミナとの事、許してもらえないかな?」
頭を下げて言った。

おふくろは、呆れたように、
「まだそんな事を言って…。
頭を冷やしなさいよ。
世の中には素敵な女性が、たくさんいるのに。
なんで、わざわざあんな男を、選ばなきゃならないの⁉︎」
腰に手を当てた。

「チャンミナは、人としても本当に素晴らしいんだ。
あんなに心が綺麗な人は、そうそういないよ。
俺は、あいつじゃないと、もうダメなんだ。」

「私には分からないわよ。」

「分かってくれとは、言わないよ。
ただ、俺たちの事を、黙って見守ってくれないか?」

「…。」

「お願いします!」

「…認めた訳じゃないからね。」
そう言うと、いったん部屋から出て行った。

ふぅ…。
チャンミナ…、俺たちの未来は、前途洋々という訳には、いかないようだ。

だけど、絶対に諦めないから。

お前の両親にも、必ず認めてもらえるよう、誠意を尽くす。

だから、俺について来てくれな。

それから毎日、チャンミナが見舞いに来てくれた。

おふくろは、もう何も言わずに、黙って見ていてくれた。

こうして、2週間あまりが過ぎて、ようやく、退院の日がやって来た。

おふくろが、俺に実家に戻るよう、何度も説得したが、戻るつもりはなかった。

なぜなら、俺はチャンミナと一緒に暮らすつもりだったから。

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