元気のないチャンミナを、テミンが随分と励ましたそうだ。
人生とは、不思議なものだ…。
「チャンミンさん、強がってはいるけど、本当はとても辛いんだと思います。」
「…。」
「もう一度、よりを戻してはどうですか?」
「でも、振られたのは、俺のほうだし…」
それに、ユナさんだっている。
もう、どうにもならない所まで来てしまった。
「悪いが、もう無理なんだよ。」
「…そうですか。」
テミンが、辛そうにうつむく。
チャンミナを思わない日は、1日だってない。
相変わらず、大好きだ。
だけど、俺たちは別々の道を歩き出している。
…もう、忘れないといけないんだ。
その時、ピアノのメロディーが流れ始める。
ハッとした俺の身体に、戦慄が走った。
演奏していたのは、なんと、チャンミナだった。
「…!」
寂しげにうつむき、長いまつ毛を揺らして、演奏に没頭している。
チャンミナ…少し痩せたか…。
だけど、少し痩せた横顔さえ、チャンミナの美しさを損ねてはいなかった。
神々しいまでに、オーラを放つ姿に、目が離せない。
あぁ…なんて、綺麗なんだ。
切なさが込み上げて、涙が溢れてきそう…。
俺たちの過ごした思い出が、走馬灯のように蘇ってきた。
それは、何にも代えがたい、幸せな時間だった。
ダメだ。
俺は、やっぱり…。
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