何にせよ、時代を捉まえるツールを持っているのは、うらやましい。
それは人それぞれの持てる、人間としてのチカラをフルに使っているんだろうけど。
まあ、それはいいとして。

今の世の中が、圧倒的に超越したもの「神様」的なものと
どう向かい合っているかということを、はるか昔から
捉まえていく。
とにかく、はじめは「神様」はキラキラしたもんだったし
よく分からない人知を越えるようなことには
「超越したもの」がいたらしいのだ。
神様が人型していく過程とか神様が一人になっていく過程とかが
中沢新一流にどんどんイメージで切り裂かれて作り替えていかれる。
きっと専門家が読むと違うのだろうが、
素人が読むと、ずっとそうかあそうかあと読める。
そこがすげえ。この手のもので出色。
神社にはたったひとりのすごい「神」がいるけど
祭りになると、いろんなキャラが出て大騒ぎする。
そこは、「神」になりそこねた「元神」みたいなもんが
グッとチカラを出すステージなんだそうだ。
そうやって日本は折り合いをつけたらしい。
神様の選別に。
たったひとつの神様を選び出すことの無理に
世の中の無理が重なっていく。

「ことばはつねに、自分の語りたいことを語りそこねる」らしい。
確かに。いつも何かその場で変っていくよなあ。

神の発明
最初から最新刊まで一気読み。
平山あやが好きと書いてあったからという
よくわからない理由でチョイス。
でもさ。
ひたすら、いじめに立ち向かうリストカット少女の
お話なんだけど、何?
ズンと沈むけど、こういうの、女子はどう楽しむ?
あるよねえ、こういう女子同士のいじめって
いう感じで読むのかなあ。
想像している通りの
じわじわといういじめが途切れることなく
次々訪れるので、まるで飽きないが。
気持ちは晴れない。

ライフ
中沢新一シリーズ第3弾。
俄然、ややこしい。
なんかフローチャートみたいなので
これとこれが共通で、みたいなこと言われて
もう考える気が失せる。
ああ、もっともっと論理に萌えたい。
構造が必要なときに音を立てて
停止する自分の脳みそが嫌だ。
何でもかんでも「お金」に価値を換算することで
人々の価値観が病んでいったみたいなことらしい。
本当はそこに、すべての価値が眠っているわけではないのに
なぜだか、人間が生み出した「貨幣」という感覚にこそ
万能の力があると信じ始めた人間の傲慢。
そうこうしているうちに、世界は我が手のうちにあると勘違いする
現代人のお間抜けさ。
「科学」が無理矢理自然を人間の分かるものに
分解していく様に、その影が見えると。
そうなのだ。何もかもが分からなくていいし、
だからこそ、多くのことがキレイにあると思うのだ。

愛と経済のロゴス