外出自粛で籠城中。 

 

溜っている旅レポのつづきをアップしていきます。

 

記録のための記憶の糸口 / 首里から喜如嘉へ! / 2019年秋 沖縄の旅 その8 のつづき^^/

 
山に抱かれた小さな集落
風に揺れる大きな芭蕉の葉
 
芭蕉布の里、大宜味村へ♪

 

芭蕉布は糸芭蕉の茎の繊維を取り出してつくられます。

 

糸芭蕉はバナナと同じバショウ科の多年草です。

 

芭蕉布の魅力は、柳宗悦「芭蕉布物語」、澤地久枝「琉球布紀行」で語られ、芭蕉布復興に尽力された重要無形文化財保持者である平良敏子さんという象徴的な存在があり、染織愛好家にとって垂涎の布。
 
その憧れを抱いて参加した、2014年1月の古代織産地連絡会の自然布ツアーでの芭蕉布づくりのワークショップは、人生観を変えてしまうくらい心に響くものでした。
 
たぶん、あの時、染織産地巡りにスイッチが入ったと思う。
 
糸芭蕉を倒して(苧倒し)、皮を剥ぎ(苧剥ぎ)、煮て、不純物を取り除き(苧引き)、細く裂き、機結びでつなぎ(苧績み)、糸にして織りあげる。
 
1反の芭蕉布をつくるために200本の芭蕉の木が必要で、1kg採った繊維は600gの布となる。
 
糸づくりの現場に飛び込んで得た感覚は、稀少価値やすべて人の手によるものという手仕事の良さ…、ではなく(もちろんそれもあるのだけれど)、淘汰されてきた作業工程は無駄がなくその所作までも美しいということと、あらためて経糸と緯糸でつくられているという実感、何よりも「芭蕉という繊維そのものの美しさ」でした。
 
 

2014年1月 喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー & 琉球染織巡りの旅 まとめリンク

 

あれから6年…。

 

大宜味村芭蕉布会館へ

 

今回の旅は竹筬研究会の研修です。

 

下村撚糸の下村輝さんと大城廣四郎工房の大城拓也さんと。

 

竹筬だけではなく、糸績みの効率化について実験が行なわれました。

 

芭蕉布会館の中は撮影禁止になっているので写真はなし。

 

下の写真は2014年の芭蕉布ワークショップのときのもの。この時と変わらず、平良敏子さんが黙々と糸を績んでいらっしゃいました。

 

 

芭蕉布会館から平良美恵子さんに案内していただき芭蕉布織物工房へ

福木や琉球藍で染められた芭蕉の糸

市場流通ではめったにお目にかかれない生成りの浮き織りの芭蕉布

 

そして「手わざ 琉球王国の文化」で公開された、紅花染めの芭蕉布を一足先にみせていただきました.

「芭蕉布桃色地経縞絽織衣装」を復元したもの。

復元のため13ヨミの糸をつくり地機で織られています。

3年前から原料となる糸芭蕉から繊維を採取し糸づくりし、染料となる紅花は多良間紅花を使用。紅花は織っている途中で色が変わってしまうほど退職しやすく大変だったとのこと。青は琉球藍、茶色はヤマモモ。

 

 

 

せっかく喜如嘉までやってきたので、遅くなってしまったのですが…、

 

 

平山ふさえさんの芭蕉布工房風苧へ♪

 

じつに洗練されたカッコイイ芭蕉布をつくる作家さんなのです。

 

茜と琉球藍の花織の芭蕉布は平山さんの作品。

里帰りできた〜♪

知人の芭蕉布コレクターの方の特注の紺地のバンジョーが織りあがったばかり。裂地だけでもこれがまた超ステキでお召しになられたところを是非拝見したい💕

 

真っ暗な中、突然襲撃?してごめんなさい。

 

またお会いできることを楽しみにしております。もちろん作品も♪

 

竹筬研究会の旅レポはまだつづきます。