祇園祭(7月13日) きもの文化検定 レクチャー&懇親会 / 2016年祇園祭 その7  のつづきです(^-^)/

函谷鉾の会所拝見へ目
事前にレクチャーいただいていたので、見どころをきちんとおさえることができたように思います。会所でもあらたに函谷鉾の所泰司さんに歴史や懸装品についてのご説明をいただきました。

函谷鉾は応仁の乱以前に起源をもつ、長刀鉾につぐ くじ取らずで二番目に巡行する鉾。1839年(天保10年)にはじめて稚児人形を考案し、昭憲皇太后の兄君である一条実良卿(喜多丸)が稚児人形のモデルとなっています。天明の大火で鉾を焼失し再建の費用が嵩んだことで稚児をだせる家がなかったことからの策によるもの。ちなみに女人禁制だった鉾に女性が上ることを解禁したのも函谷鉾が先駆け。


函谷鉾の前掛け「イサクに水を供するリベカ」。旧約聖書創世記の説話が題材となっています。

16世紀ベルギー製の飾毛綴織(ゴブラン織)のタペストリー 。1718年(享保3年)に沼津宇右衛門により寄贈されたもの。当時から「水を汲む女」とよばれていて聖書からの題材とは気がつかなかったのだそう。文化庁の調査によって明らかに。後に重要文化財に指定。

復元新調したのは、龍村美術織物。裏地の色焼けしていない部分から元の色を解析し糸を染めるのに1年を要したもの。54色の色彩がつかわれています。


1839年(天保10年)に弘法太子筆と伝えられる「金剛界礼賛文」を紺地に金文字で複織した見送り


17世紀李氏朝鮮の毛織段通「梅に虎文」

17世紀の中国段通「玉取獅子文」


1998年(平成10年)皆川泰蔵寄贈による「モンサンミッシェル」前掛け


函谷鉾の公益財団法人50周年の記念事業として新たに新調されたものは、すでに鉾にありました。

狩野探幽「飛鶴図」を元に製作された、川島織物セルコンによる「天井幕」です。高純度の本金箔の紋織地に肉厚な刺繍で立体感をだしたもの。


そしてこの日は、きもの文化検定の工房見学会のために函谷鉾の囃子方である喜多丸会の方々がお囃子を演奏してくださいました♪
 
鉦方は10歳ぐらいから練習がはじまります。10年余りの修行で40曲の祇園囃子を覚えていきます。そして曲だけでなく、幅広い世代と一緒に演奏することで、上下関係やマナーも身につけることになるのだそう。練習の準備や後片付けも社会勉強。


お囃子の調子を整え掛け声を掛ける太鼓方。囃子の流れをつくります。

太鼓方だけに、とてもノリがよい方々でした♪


囃子の旋律を奏でる笛。祇園囃子は巡行で聞くよりも夜に聞くほうが風情を感じます♪


13日の夜はまだ駒形提灯が灯っていないところもありますが、人が少なくて会所拝見をするにはとても良かった。この後、各鉾の会所巡りへつづきます(^-^)/

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