八丈富士牧野ふれあい牧場 / 2015年初秋 八丈島の旅 その6  のつづきです(^-^)/

「きもの文化検定」は今年で第10回目を迎えます。
その1級合格率は、わずか5%と超難関。(昨年の合格率は30%でしたが、それまでは5%前後)
難関故に合格者特典が欲しいという声もあるそうで、きもの文化検定合格者特典協力店と施設にて合格認定証を呈示すると、商品の割引や優待が受けられるという特典制度がつくられました。

私は特典の必要を全く感じておりませんでしたが、特典があることによって受験生が増えるなら、その特典はお金では換算できない特別感のあるもののほうがいいのでは?と思っております。
詳細はこちら→ きもの文化検定合格者特典&過去の祝賀会

きもの文化検定1級を目指す人は、染織に対する好奇心が旺盛であり染織の現場を知りたい人が多い、という意見が取り入れられてはじまった工房見学会です。昨年の米沢の工房見学会はこちら☆

今回は前夜の親睦会つきということになったのですが、よりによって台風18号とぶつかってしまい、懇親会とともに工房見学会も中止になるかとあやぶまれましたが、無事に皆さま八丈島へ到着され合流できました♪八丈島がいい!と希望をだしていただけに、冷や汗ものでした…σ(^_^;)

懇親会の特別ゲストは八丈織の菊池洋守先生ヽ(゚◇゚ )ノ


八丈島の染織は興味が尽きないものがあります。それは黄色、鳶色、黒色の三色の植物染めだけでなく、織の技法です。カッペタ織という原始機が残り、平織だけでなく、八丈島には、めかご、風通くずし、たつみ綾、杉綾、まるまなこ、足高貴、小柳市松など様々な綾織の技法がありました。


菊池洋守先生は八丈島生まれ。柳宗悦の甥にあたる染織の大家、柳悦博に師事し、八丈島に伝わる伝統的技法に加えて独自の技法を生みだされました。染料は植物染料にこだわらず化学染料も用いているそうですが、色に独特の深みがあります。四枚綜絖、六枚綜絖、八枚綜絖をつかって織りだされる綾織りは、単彩でありながら光を纏った色気と品格がある織物なのですドキドキ

市松

小柳市松(これは八枚綜絖で織られたもの)
こちらも小柳市松

市松熨斗目格子(六枚綜絖で織られています)

オヤリ紬(菊池先生が繭からずり出しして紡いだ糸がつかわれています)


6枚綜絖の八丈織を織られているところ  
※きもの文化検定の工房見学会とは別ルートで見学させていただきました。

綜絖を切り替える踏み木が複雑…。


第10回きもの文化検定の受験者と過去の1級合格者による親睦会は、菊池先生のお話の後、各々が先生に質問攻めでした。貴重な機会をありがとうございました。

食事の後は、過去の1級合格者による、きもの文化検定1級攻略法を披露する奥深い懇親会となりました。
•1級は私大受験と似ているので、ひたすら過去問を解く、そして自分で問題をつくる。
•装束に関する問題がでるので、衣紋道のイベントなどに参加する。
•用語集をひたすら暗記。
•産地は替え歌をつくって睡眠学習で覚える。
•美術展、博物館など関係がないようなものもつながっているのでマメに通う。

北は北海道から南は熊本まで参加者の方がいらっしゃいました。
私がこのメンバーの中でよくお会いするのは東京の人ではなく関西の方なのです^^;
そして会う場所は約束しているわけでもなくいつも偶然!
いかに日本全国、きもの好きが飛び回っているかということでしょう。


今年の試験日は11月1日。
結果でなく、そのために学んだことが知識となります。
皆さまが遺憾なく実力を発揮できますように♪

次は、めゆ工房の工房見学です。

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