今回のテーマは”奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」(6)です。
奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」 (朝日新書)/朝日新聞出版
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前回は石巻モデルと言われるものの中の分科会に関してでした。
今回はその中の「仕切らない」という事に関して少し。
ピ-スボ-トはもともと、あの辻本清美議員らが立ち上げた団体
なのだそうですが、1996年の政界進出以降、辻本さんは
団体の運営に一切関わっていない・・・と書いています。
ピ-スボ-トは憲法9条を世界に広めるために「9条世界会議」を
主催したり、沖縄県名護市辺野古の米軍基地の代替施設に反対したり
明らかに政治色の強い団体でした。
災害ボランティアの現場では、その地域が特定の宗教団体や政治思想の
ある団体が仕切っていると分かった途端に物資が届かなくなったり、
ボランティアそのものがあつまらなくなったりすることがある。
伊藤さんはそのあたりを・・・・
「目の前に困っている人がいる。それを解決するためだったら、
どんな人脈も政治力も使っていいじゃないですか。
ただし成果を独り占めしたり、政治の道具に使われるのだけはやめようと。
とくかく、私たちが統括するのではなく、ボランティアたちが活動しやすい
フィ-ルド整備に徹しようと山本さんとふたりで話し合いました」
・・・なるほど~。話がわかるリ-ダ-二人が今回の「石巻モデル」を
作った・・・と言えそうです。
ボランティア活動に政治を介入させない。
ただし目の前の物事を解決するためだったら手段を択ばない。
超党派的思考ですね~。ふむふむ。
各分野のプロとコラボしながら一つの目標を達成する・・・ですか。
石巻専修大学が拠点になったそうですが・・・これにも裏があるんですね~。
この大学は避難所の指定は受けていませんでしたが、学長は受け入れるんです。
地震発生から4日後、市長から大学に災害ボランティアセンタ-を
開設できないか?と打診があります。大学側は即座に快諾し、ボランティアの
事務局ができて、ボランティアの拠点になります。
実は、いざ震災が発生した際には、避難者、自衛隊、ボランティアを受け入れる
という防災協定を互いが取り交わしていた・・・という事実があります。
わかりやすく言うと・・・いざという時の根回しをしていた・・・
という事です!
ふむふむ。いざ急に行動すると何をどんな風にすればよいのかわからない。
でも・・・あらかじめ根回しして、取り決めしておくと、以外に
すんなり行く・・・それが「石巻モデル」の秘密の一つでもあるようです。
要するに「いざという時の仕組み」をあらかじめ作っておく事!
なるほど~。仕組み作りですね~。
被災各県でも社協が大打撃を受け、ボランティアの受け入れがうまく
行かなかった県も多かったようですが、石巻は違ったようです。
この本を読むと、やはり「仕組み」が鍵を握っているようです。
ほほう~。仕組みか・・・面白い。
しかも・・・もっと面白いエピソ-ドが載っています。
それは「通信に関して」です。被害が大きかったのに、通信手段が無い!
そこで、ボランティア団体「め組ジャパン」の井上さゆりさんがですね~
自身のツイッタ-で株式会社ソフトバンク代表取締社長孫正義あてに
「震災支援を始めるので、ケ-タイ電話が欲しい」・・・とつぶやくん
ですね~。すると・・・驚いたことに翌々日には400台のケ-タイと
10台のアイパッドを、ソフトバンクの社員が届けてくれた~!!!
それには井上さんビックリ仰天!そりゃそうです。
まさかそんな事起きるとは思っていなかった。
ダメ元でつぶやいた事が現実になるなんて~。
しかも通話料は3カ月の期限付きでしたが無料!
孫さんカッコイイ!(笑)
チュ-しちゃいたい気分です!(笑)
支援物資は集まり始めたんですが・・・問題となるのは
その保管場所です。
これは気づきませんでした。いくら支援物資が届いても
保管場所がなければ、濡れてしまいます。服や食料がダメに
なったケ-スも今まであったようです。
今回のケ-スでは野球部の屋内練習場を保管場所として
使用したとか。
そうか・・・支援物資もさることながら、それを保管する
屋根付きの建物がなければ意味が無いのか・・・
支援物資と物資保管場所・・・これは一つのセットとして
考えなければならないのか・・・
ふむふむ。これは勉強になったぞ!
・・・という事で、今回はこのへんで。