2017年 Meursault(ムルソー)/Francois Mikulski | リアルワインテイスティングメモ

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ワインの風味は日々刻々と変化していきます。
ワインの今をリアルにお伝えします。

夏に楽しむブルゴーニュワインを選ぶのは難しい。
湿度と熱気による体感温度の影響で味覚が変わるからだ。
そのため多くのブルゴーニュワインは食の季節が到来するのを待ち望む。
しかし、そのなかでムルソーは夏に飲むブルゴーニュの白ワインとしては最高の位置をしめる。

 

・2017年 Meursault (ムルソー)
・2017年 Meursault 1er Cru Les Genevrieres

 (ムルソー・1er・レ・ジュヌブリエール)
 生産者:Francois Mikulski(フランソワ・ミクルスキー)

 

・2017年 Meursault(ムルソー)
かぼす等グリーン系の柑橘にムルソー特有のミネラル(感)が溶け込み調和のとれた風味が広がる。
ムルソーのミネラル(感)とは何かというと、

大半のブルゴーニュワインのミネラル(感)は海の幸、すなわち昆布や魚貝類の旨味を表現するが、

ことムルソーに限っていうと淡水魚系の良い意味での泥臭さを表現する。
口に含むとこの柑橘とミネラルが旨味としていっぱいに広がっていく。

もうこの世界は新鮮な鮎の塩焼きや鱧の料理を求め、

不思議と日本の盛夏に似合うのだ。

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・2017年 Meursault 1er Cru Les Genevrieres

 (ムルソー・1er・レ・ジュヌブリエール)
このミクルスキーのムルソーが持つ旨味の世界に加え、
さらにジュニパーベリーのようなグリーン系のスパイス風味が加わり、
ムルソーの品格と大自然がもつ雄大さ表現してくれる。
飲むものをして、誰もが虜にされるワインだ。

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◆エピソード
2003年1月頃、フランス留学中にブルゴーニュ、モンテリーやムルソーの生産者を訪ねたときの話し。
それまで多くのブルゴーニュワインが新樽100%のワインであったのにたいして、
「キャラメル味のワイン(=新樽100%)はもう造らない、

         フレッシュでいてグラ(gras=肉厚)なワインをこれからは造る」
と生産者が放った言葉を鮮明に想い出す。

それから約15年近い年月を経た今日において、


新樽100%のキャラメル味を単純に否定してフレッシュでグラなワインに仕立てたのではなく、
グリーン・ノートとスパイス的なニュアンスにより品格と複雑さを表現し、
フレッシュな酸味果実味とミネラルの融合による調和した旨味の世界の創出、
そして、何よりも人間が大自然と対話し、その中間にワインが位置するかのような存在感、
これこそが、今日のムルソーが到達した姿といえるでしょう!!

(by HIRANO)