・4月18日(土)- 春めく | spica's blog

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♥水越けいこさんの作品と歌を語るフォーラム


 土曜日晴れ。日差しが強く、速歩で汗ばむ肌に微風が心地よい。陽気はこの数日ですっかり様変わりした。これからまだ一進一退はあるかもしれないが、確実に春はやって来たのだ。

 道すがら目に入る草木も俄然色づく。黄色では春の先駆け水仙に、今日あたりから賑やかな連翹(レンギョウ)が加わってきた。先日は、珍しい八重咲きの黄水仙も目撃した。ヒヤシンスの紫や白色は、多くの場合、水仙の群れに混じっている。まだ固い木蓮(マグノリア)の蕾にはワインレッド色がはっきり見てとれる。



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【八重咲き水仙 - 近隣・16日】


 自宅でも今日、枝垂れ桜の蕾が二十個ほど開花していた。面白いもので、蕾の中でも家の木部構造に接していた数個が最初に開いた。木が蓄えた陽のぬくもりが利いたに相違ない。ライラックは若木の小枝には不釣り合いなほど大きな、肉厚の若葉をつける。それから花水木。すでに昨年初冬から出ていた蕾の一部が、昨日今日の暖気でついに開いた。いずれ四弁の花びらが出る頃になると、今見えている小さな粒が得も言われぬ美しい薄緑色に変わる。


 ・ものの芽のあらはれ出でし大事かな 虚子「五百句」)


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【ものの芽 - 自宅・今日】



 この地方では春が来たと思うと直に暑くなる。だから、春宵の一刻は千金どころか、十万金にも値するのである