珈琲と保険 | 孤高の珈琲人

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京都市で自家焙煎「珈琲だけの店」windy(ウインディー)を1972年から営業しています。

windy


世界一の保険屋さんは、かってテムズ湖畔のコーヒー店だった。
保険金殺人などという欧米並みの事件も、もう珍しくなくなった。日本も、いまや保険社会である。
コーヒーと保険、一見関係ないこの二つが、イギリスで結びつく。イギリスの誇る世界最大の保険引き受け組織、ロイズ・オブ・ロンドンの前進は、コーヒー店だった。ヨーロッパで最初にコーヒーが流行したのはイギリスです。ロンドンでのコーヒー店の増え方はすさまじく、1652年にトルコ貿易の商人が開店以来、10年たらずで2000点にも増えている。
コーヒー店のスタイルは、芸術家、役者、パン職人などと、同業者同士が1軒の店に集まり、遊びは勿論のこと仕事の情報交換を兼ねたサロン風。
テムズ川の船着き場近くにあったロイズのコーヒー店は、海運関係者でいつもうまっていた。経営者のロイドさんはコーヒーを入れる合間に海運に関するニュースを集めたり、船舶の売買や積荷取引の斡旋をしてお客へサービス。その結果、海上保険取引業者たちに大いに利用されるようになる。
保険の始まりは、中世イタリアの海上保険だといわれていて、当時の海上保険は超有望。1712年に初代ロイドさんが亡くなると、2代目はさっさと保険会社へ変身。ロイズ社では、今でも使用人をウエイターと呼んでいるそうだ。
世界一ともなると保険の扱いもちょっと変わっていて、マレーネ・デートリッヒの脚保険、ネス湖の怪獣生け捕り保険、グレース・ケリー世継ぎ出産保険、映画観客笑死保険ととても楽しそう。さて、あなただったらどんな保険をかけるかな。



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