予(hōo)
「予(hōo)」は次の三つのキモさえ押さえれば意外にシンプル。
①「予(hōo)」の漢字は「予」だけを使おう。
「予(hōo)」に漢字がいろいろ使われていることに、学習者が混乱する最大の原因がある。例え教科書や辞書や歌詞で「給」「互」「乎」という字が使われていたといても、自分で脳内変換させて「予(hōo」にしてしまおう!
②「予hōo」には動詞と、前置詞の二種類がある。
二つは全然別物。「予hōo」の目的語の後に動詞がきていなければ、その「予hōo」は動詞だ!「~に…をやる、あげる」という意味の動詞。それ以外は前置詞で、使役「~させる」と受け身「~される」を表す。
③前置詞「予hōo」のあとは必ず動作の主(行為者)がくる。
というのさえ覚えておけば相当にシンプル。使役「~させる」と受け身「~される」は、行為者は一緒で話者の見方や感じ方が違うだけ。「させる」だろうが「される」だろうが、「予hōo」の後に来るのは動作の行為者。あとは文脈で「させる」と「される」を訳し分けるだけ。
共kā
実は超複雑で超ややこしいのは「予hōo」よりも「共kā」の方。とにかくいっろんな意味があって、本当に難しい。ので、まずは漢字を脳内統一して「共」一つにしておきたい。日本のテキストだと「給」の字が使われていることが多いが惑わされないで!!
「共kā」は前置詞。ざっくり分けると次の4つの意味(使い方)がある。
1)動作の対象など(~に、~に対して)
例えば
我共你拍電話。
(私はあなたに電話をする)
我共你講。
(私はあなたに言う)
などなど…。中国語で言うと前置詞「給」や「跟」に相当する。
2)受益者など(~のために、~のかわりに)
例えば、
共咱的球隊加油。
(うちのチームを(のために)応援する)
我來共你介紹一下。
(私があなたに紹介しましょう)
などなど…。中国語で言うと「為」や「給」や「替」や「幇」など。
3)処置文で目的語を前に出す(~を)
かなりのマニアックな文法ポイント。それなのに、実際によく使われる文型。学習者は多分ここで脱落。
你共房間掃掃leh。
(部屋を掃きなさい)
老師共阿花罵。
(先生は花ちゃんを叱った)
などなど…。中国語で言うと「把」や「将」。
4)動作の対象だが日本語で「~から…する」と訳せるもの
③の上をいくわけわからなさ。考える気力を思わず喪失。
我共伊借。
(彼に(から)借りる)
這是共伊提的。
(これは彼に(から)貰ったものだ。)
などなど…。中国語で言うと「向」や「跟」など。