※2013年~2022年の記事に加筆しています。
「用V的」のVは、verbのV、動詞のこと。例えば「用説的」、「用走的」などなど。普通話の教科書的規範ではこのような言い方はしません。もし日本人でこれを使ったら、ああ、台湾に留学したのね。と一発でわかります。
「用説的」、「用走的」も、ただの「説(言う)」、「走(歩く、行く)」と意味はほとんど変わりません。「用走的」は「走着V(歩いて)」の意味で使うこともありますが、基本的に「用」も「的」もなくてOK。ではなぜわざわざ入れるのかと言うと……そう、それはお約束、台湾語の影響です。
台湾語の文法の影響を受けた台湾華語には、よく知られたところの「有」の助動詞化(我有去⇨私は行った)など、文法構造の根幹に関わる特徴もありますが、このようなフレーズ的なものも多いのです。
台湾朋友と話していて聞かないことのない表現だし、台湾映画やドラマで出てくる例も枚挙に暇がありません。
2022年の台湾ドラマ『仙女姐姐來我家』39話、15分18秒。和尚さん♡に「心を落ち着かせるべきです」と言われた珍珠が
用說的很簡單
(言うのは簡単よ)
2022年の台湾ドラマ『正義的算法(正義の法則)』15話でも。残り9分くらいのところ、劉浪が預かっている子供、良良(6歳?)を自転車レースに出場させて賞金8千元を稼ごうと猛特訓をしている場面です。水を飲みに行った良良に対し、水は一口飲めばいいんだ、早く戻ってこい!としかりつける劉浪。そして歩いて戻ろうとする良良に、投げつけた言葉がコレ↓
そして、2021年の台湾ドラマ『天橋上的魔術師(歩道橋の魔術師)』のep8、33分34秒くらい。小蘭が言います。
光用想的就覺得好久
(考えただけでとても長く感じるわ)
台湾の劇団《這群人》の最新動画でも。
你為什麼還要用丟的呢?
なんで投げてよこすのよ💢
2012年の台湾映画『痞子英雄 首部曲 全面開戰』でも開始いきなり登場。テロの標的になったお父さんが、近づいてくる息子に「逃げろ!」と叫ぶ場面。セリフはアラビア語か何かでしたが、字幕は思いっきりこれ↓
(見ただけで食べたくなるの)