台湾華語の「你好」が「ニーハウ」なワケ | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

台湾華語は研究中、台湾語は独学中、台湾へはいつも一人旅!の、たまりが、台湾華語と台湾語、台湾旅行と台湾映画と台湾ドラマ、そして台湾文学について語り尽くします

台湾のㄠが「ao」ではなくて「au」なワケ。という記事のタイトルを変えてのアゲイン記事です。手抜きが続く。

「你好」を漢語ピンインで書くと「nǐhǎo」。台湾の注音符号では「ㄋㄧˇㄏㄠˇ」。でもって、この「好(ㄏㄠˇ)」は実は「hǎo」ではなく「hǎu」。

まー、言うてもビミョーな差なんすけどね。そして、台湾の方の発音が「au」だと決めつけてるわけではなくて、おかみが正式に公布したものではそうなってる、という話です。で、例のごとく無駄にマニアックな話なので、みなさま読まなくていいです。いや、読まない方がいいです(なら書くな)。

台湾で「国語」(発音)の規範の大元は、中華民国時代1932年に当時の教育部が公布した『國音標準字彙』というもの。台湾では1946年にこの『國音標準字彙』を発音の基準にすることが決められて、実はその後変更なしである。漢字の読み方についての細かな変更はあったりなかったりしたが、基本の大元はそのまま。

1947年には『國音標準字彙』にプラス、注音符号の標準印刷書体表と、発音表と、発音の説明書きの三つを加えた『國音標準彙編』(↓)が刊行されて、長らく台湾での刊行物の基準となってきた。

IMG_20160111_113952192.jpg


『國音標準彙編』の中にある注音符号の発音表はこれ(↓)。

IMG_20160111_112418721.jpg


IMG_20160111_112421772.jpg


「ㄠ」のところを見ると「AU」と書いてあるのが見えますね。(↓)

IMG_20160111_112423454.jpg


つまり、三段論法で、台湾の「ㄠ」は「au」である。と言えるわけ。ただし、台湾でよく使われるローマ字表記法「ウェード式」や、民進党政権時代に一瞬だけ採用された「通用ピンイン」では「ao」となっているのでちょっと複雑ではある。

ちなみに一番台湾でみかけるローマ字表記は何と言っても「ウェード式」。漢語ピンインの「x」(注音符号の「ㄒ」)が「hs」だったら「ウェード式」。蕭(xiao/ㄒㄧㄠ)さんの名刺に「Hsiao」と書かれてあったら「おお、ウェード式だな」と思ってくださいね。