台湾語由来のスラング 代表選手たち | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

台湾華語は研究中、台湾語は独学中、台湾へはいつも一人旅!の、たまりが、台湾華語と台湾語、台湾旅行と台湾映画と台湾ドラマ、そして台湾文学について語り尽くします

※2013年記事のリライトです。この記事のあともたくさんのスラング紹介しました。説明も充実させました。まとめたページがあるのでそちらもご覧くださいね,






昨日のレッスンでいくつかのスラング、先生に使い方とか確認した。例えば「三小」(「啥小」さーしゃう)。「なんだよ、てめー」といった意味で良い子は絶対に使ってはいけない。でもとにかく映画やドラマでよく出てくるから自然に覚えてしまう。知識をひけらかして「さーしゃう」「さーしゃう」言ってたら先生本当に露骨にイヤな顔をした。そして「そんな言葉ばっか使ってると、悪い友達ができたと思われるよ」って心配してくれた。気をつけよう。




碎碎唸(suìsuìniàn)⇨「くどくど小言や文句を言う。」
→ はい、これも台湾語ね。台湾語の“踅踅唸se̍h-se̍h-liām)”に似た音の華語の漢字を当てて華語読みしたもの。


了(liǎo)⇨「わかった、了解した」
→ 華語の“了解(liǎojiě)”から来ているのか、台湾語の“了解liáu-kái)”から来てるのかは、よくわからない。いずれにしても“了解”の省略形か。ちなみに台湾語の発音は「りゃおがい」で、ぱっと聞くと日本語みたい。映画の中では“我了我了!”(おっけーおっけー!)という感じで使われていた。


ㄑㄧㄠˊ(qiáo)⇨「調整する」
→ これは「是正する、直す」という意味の台湾語。辞書では“樵(tshiau3)”(華語の発音は“xiāo”)とかいう難しい漢字が使われている。なので注音符号で書かれることも多い。 


菜(cài)⇨「好みのタイプ」
→これももとは台湾語。“開脾菜(khui-pî-tshài)”、つまり、食欲の出る料理という意味。本当によく使う。“她是我的菜。”「彼女はオイラのタイプだぜ」。


菜鳥(càiniǎo)⇨「新人、新米」
→もともと軍隊の新兵をさす言葉だったようだ。これも台湾語からきてるのかどうか不明だったが、やはり台湾語起源らしい。普及度はぴかいち。


媠/美/水(suí)⇨きれい、すてき
→ 台湾語の辞書では「」だが、意味をとって「美」の字を当てる場合が多い。音をとって「水」と書くことも。あと、ここに書いているピンインは台湾語のピンイン。「suí」は台湾語の2声なので音程は下降する(華語の4声とほぼ同じ)。


古錐(kóo-tsui/ごーずい)⇨可愛い
→ 発音は華語の声調で言えば1声+1声になる。「kóo」は上の「suí」と同じ2声だが、変
調して1声になるのだ。


歹勢(pháinn-sè)⇨ごめん、すみません、失礼
→ 華語だと“對不起”より“不好意思”な感じ。これはもう完全に華語と一体化している。「pháinn」は鼻音で語尾が鼻に抜ける。でもカナにすればやはり「パイン」というよりは「パイ」に近い。あと、上の古錐(kóo-tsui)と同じ原理で、前の音節「pháinn」は1声になる。「sè」は台湾語では3声で低く抑える音になる。


安啦(an--lah)⇨安心して
→ これも前に書いた。「lah」は声門閉鎖音と言ってつまる音だが、ふつうに「あんら」でもOK。


顧目睭(koò ba̍k-tsiu)⇨目の保養をする
→ まっぽし台湾語!


你咧?(lí--leh?)⇨あなたは?
→ ここの「咧(leh)」は華語の「呢」に当たる。


哭爸/靠北(khàu-pē/かうべー)⇨うるさい、しまった、まいった、ボケがっ


哭枵/靠要(khàu-iau/かうやう)⇨やかましい、うるせー、ボケ(罵る)
→台湾語の「枵」は「餓」の字を使うことが多い。が、普通は音訳で「靠要」や「靠腰」と書く。


牽手(khan-tshiú)⇨
→ 華語読みをして「qiānsshǒu」と発音することも多い。


拍拚(phah-piànn)⇨一生懸命がんばる
→ 「打拚」と書くことも多い。そしてそれを華語読みして「dǎpīn」と発音する人も。


夯(hāng)⇨「あつい、ホットな、いけてる」 (注音符号で ㄏㄤ と書くこともある)
→ 映画『カンフーダンク』のいっちばん最初に出てくるのよ、これが。“還是灌籃最夯”(「やっぱダンクがいけている」)って。ものすご変な漢字。辞書ひくにも苦労したのに、意味はなんか違う。と思ったらやっぱり台湾語だったという…。趙怡華氏の『台湾語のスラング』(アスカ出版)によると多分台湾語の“烘(hang)”[あぶる、焼く]が語源だろうとのこと。


爛(làn)⇨だめ、ひどい
→ 台湾のバラエティ番組とかでもよく聞く。“我的台語很爛。”(「おれの台湾語はひどいもんだよ。」)とかね。


糗(qiǔ)⇨ダサい、恥をさらす
→ これは多分台湾語の“羞羞(tshiu-tshiu)”[ とても恥ずかしい]から来ている。


ㄍㄧㄥ(ぎん)⇨突っ張る、意地を張る
→ これもドラマを見てて聞かないことはないことば。台湾語の“king)”[突っ張る、張る]である。


衰⇨ついてない、不運である
→ まんま台湾語である。発音は“sue”。


臭屁(chòupì)⇨ホラを吹く、自慢話をする」
→ これも台湾語の“臭屁(tshàu-phuì)”を中国語読みしたもの。


白目(báimù)⇨KY、空気が読めない
→ 同じく台湾語の「目がついていない」から「空気が読めない」へ。私は最初日本語からの外来語で「まわりの人の目が白い」という意味かと思った。


馬子(mǎzi)・・・「彼女、スケ」
 → 新語辞典に「彼女」として載っているが、起源はよくわからない。→わかりました!! 「眷村黑話」という、大陸の土匪起源系語彙の一つ。台湾では70年代、80年代の映画ですでに聞かれる。もちろん今も健在!


大尾(dàwěi)⇨チンピラのボス、親分、大物(悪い意味)」
→ 趙怡華著『台湾語会フレーズブック』(明日香出版)の中に台湾語“大尾(túá-bué)”として出てくる。“激大尾(kek túá-bué)” で「偉そうにする、大物ぶる」、という意味だそう。基本的に名詞だが、形容詞的にも使う。“这人很大尾, 不要去惹他比较好。”(この人は大物みたいだから怒らせない方がいいよ。)とか。
→台湾語の「大的(tōa--ê)』アニキ、からの音訳かなとも思う。


熊熊(xióngxióng)⇨突然、急に
→台湾語の華語読みバージョン。台湾語で“雄雄(hiông-hiông)”は「急に、突然に」という意味。これを華語読みすると“雄雄(xióngxióng)”→→“雄”と同じ発音の“熊”という字を使って、“熊熊(xióngxióng)”、というわけ。こんなスラングは本当に多い。


英英美代子(yīngyīngměidàizǐ)⇨暇人、ひまな人
→ 日本人の名前みたいだけど、違う。台湾語の音に漢字を当てたもので、まず“英(yīng)”は台湾語の“(îng)”「暇な」、“美(měi)”は“没(méi)”→“(bô)”で「ない」。“代子(dàizǐ)”は台湾語の“代誌(tāi-tsì )”で、「事、用事、できごと」のこと。合わせると、ヒマでヒマでなんも用事がない。という意味になる。