社員を追い込むパワハラの実態19 〜けじめ〜 | レスキュー女子es番外 『料理でコーチング』

もう、逃げない

 

 

 

その日、わたしは一睡もしませんでした。

 

 

 

 

わたしは、Aさんを殴ってしまったようです。

 

 

 

 

「ようです」なのは、言い訳でもなんでもなく、本当に記憶にないのです。

 

 

 

 

 

いま、思い出すのは、わたしが先輩たちに羽交い締めにされて、Aさんが尻餅をついて倒れていた光景で、それ以前の記憶が飛んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、トラブルを起こして、わたしが皆に迷惑をかけたことだけは確かでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

前にも書きましたが、

 

 

 

 

 

どんな理由があれ、手を先に出したほうが悪い。

 

 

 

 

 

これは、間違いありません。

 

 

 

 

 

 

子供の喧嘩ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

企業に勤める社会人です。

 

 

 

 

暴力を振るったら、責任を取らなければならない。

 

 

 

 

一睡もせずに考えました。そして、決意したのです。

 

 

 

辞めよう。

 

 

 

 

 

でも、犯した罪のけじめはつけなければなりません。

 

 

 

 

 

 

わたしは、翌朝、7時に出社し、オフィスの掃除を始めました。

 

 

 

 

 

 

 

床を拭き掃除し、社員全員の机の上の拭き掃除をし、固定電話一台一台、丁寧にフキンで拭きました。

 

 

 

 

 

 

 

わたしにできる皆へのお詫びは何か?

 

 

 

 

 

 

入社してすぐ、役員の方がこんなことを言っていました。

 

 

 

 

 

「机と電話は毎日、きちんときれいにしないといけない」

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を思い出しのたのです。

 

 

 

 

 

 

新人の時の気持ちになって…。

 

 

 

 

 

こんなことしか思いつかなかったのです。

 

 

 

 

 

 

そして、Aさんが出社してくるのを待ちました。

 

 

 

 

 

一人一人、出社してきた上司や先輩、同僚を出迎え、頭を下げ謝罪して回りました。

 

 

 

 

 

皆、なぜか、

 

 

 

 

 

「えっ?ああ、いいよいいよ別に…」

 

 

 

 

 

「うんうん、わかったわかった」

 

 

 

 

 

 

計ったように、腫れ物に触るような態度です。

 

 

 

 

 

 

少しは期待したのですが、笑い飛ばしてくれる人は一人もいませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

それくらい、昨日のわたしは醜かったということだし、やっぱり、わたしの(笑い飛ばしてくれるかも)という考えは甘いということです。

 

 

 

 

 

 

出社時間ギリギリに現れたAさんは、立って待ち構えるわたしを見向きもせずに、席につきました。

 

 

 

 

 

 

わたしはその背中を追いかけ、

 

 

 

 

 

「Aさん、昨日は申し訳ありませんでした。

とんでもないことをしてしまったと自覚しています。

ほんとうにすみませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aさんは、なにも答えず、わたしを完全に無視したままでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日以来、わたしが会社を辞める半年後まで、Aさんとは一度も口をきかないままでした。

 

 

 

 

 

 

 

業務で、話をしなければならない時は、何度もありました。

 

 

 

 

 

 

それでも、Aさんは、徹底してわたしを無視し続けました。

 

 

 

 

 

 

最後まで一度も目すら合せてくれなかったのです。

 

 

 

 

 

もっともだと思います。

 

 

 

 

 

 

彼はわたしの謝罪を受け入れる気がないのですから。

 

 

 

 

 

おかげで、会社を辞める決心がますます固くなります。

 

 

 

 

 

 

わたしが会社を辞める理由。

 

 

 

 

 

 

その理由は、

 

 

 

 

 

1、会社員という仕組みで働くことができない。

 

 

2、通勤ラッシュ、タイムカード、残業、チャイムが鳴ったらお昼ご飯が食べられる。上司や先輩の誘いを断れない。などなどの、慣習に素直に従うことができない。

 

 

 

 

 

3、先輩を殴るという暴挙を働いた自分に罰を与えなければならない。

 

 

 

 

 

4、なによりも自分に嘘をつき続けていたことが許せない。

この会社で会社員として働く自信がないと、入社前に気づいておきながら、自分に嘘をついて入社した結果、わたしのために指導、励まし続けてくれた上司や先輩を裏切る結果になったこと。

 

 

 

 

 

 

この4項目を見過ごすことができなくなったからです。

 

 

 

 

 

 

不動産の仕事は決して嫌いではありませんでした。

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 犯した罪は償わなければならない。

 このことから、絶対に逃げてはならない。

 

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もう逃げない

 

 

 

 

 

そう、心に決めたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げるために辞めるのは簡単です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、わたしは、罪を償うために辞めるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

口でそれらしいことを言ってるだけだ、と言われれば、その通りかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

でも、わたしが、

 

 

 

 

その意識から逃げないことが大事でした。

 

 

 

 

 

 

ここで逃げたら、一生逃げ続ける人生を送ることになります。

 

 

 

 

 

 

わたしは、真剣に生きてこなかった。

 

 

 

 

 

ずっと逃げ続けていた。

 

 

 

 

 

 

もう十分楽をしただろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな自分という服を全部脱いで、真っ裸の自分に戻って、一から出直したいと思ったのです。

 

 

 

 

 

 

半年間、しっかり罪を償って辞めよう。

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

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