社員を追い込むパワハラの実態13 〜味方と見せかけて落とす1〜 | レスキュー女子es番外 『料理でコーチング』

最初に、ざっと、前回までのNさんの話のおさらいをしますね。

 

 

 

 

 

社員50名ほどの、ある食器メーカーに勤めるNさんの話でした。

 

 

 

 

 

 

Nさんは、同僚女性Aの一方的な勘違いで、発注ミスを咎められ、罵倒され、頭を叩かれるという事態に巻き込まれました。

 

 

 

 

 

そもそも発注ミスをしたのはAなのに、その後、Aは謝罪すらしなかったのです。

 

 

 

 

 

Nさんは、事態を大きくするつもりはありませんでしたが、その現場を目撃していた同僚が周囲に話したことで噂が男性社長の耳に届きます。

 

 

 

 

 

しかし、男性社長は、Nさんを呼び出しますが、その噂を流したのはNさんではないかと疑い、所詮女性同士の痴話喧嘩にすぎないという態度で真面目に取り合ってはくれません。

 

 

 

 

 

Nさんが、署名捺印したAからの謝罪文を要求すると、男性社長は一旦は引き受けますが、最終的にNさんに手渡しのは、パソコンで書いた捺印のない謝罪文でした。

 

 

 

 

 

Nさんは、「捺印もお願いします」と、抗議しました。

 

 

 

 

しかし、男性社長は、

 

「自分が動いてAに謝罪文を書かせたのに、それでも納得しないのか!」

 

 

と、激怒。

 

 

 

 

終いには、Nさん(の考え方)がちょっとおかしい。

 

真面目すぎる。

 

余裕がない。

 

心療内科を紹介する。

 

 

などと攻めて、追い込んでいきました。

 

 

 

 

 

わたしはNさんとは昔からの付き合いで、能力の高い、それでいて柔軟性の高い、かなり優秀な女性だと知っています。

 

 

 

 

 

わたしは、Nさんに次のように助言しました。

 

 

 

 

 

Nさんの会社の社長は、次のタイプである。

 

 

 

 

◯社長という権威をふりかざすタイプの社長であるということ。

 

 

◯パワハラがなにかを全くわかっていないタイプの社長であるということ。

 

 

◯傍若無人にやりたい放題の人間が社長をやっている会社だということ。

 

 

 

◯社長に逆らうと、クビになる会社であるいうこと。

 

 

 

 

 

それでも、この会社でキャリアを伸ばしたいですか?

 

 

 

 

Nさんは、「会社を辞めたくない」と、言いました。

 

 

 

だったら、

 

 

 

 

「そんな社長の元でも会社を辞めず出世を望むなら、迎合したほうがいいでしょうね」

 

 

 

 

そうアドバイスをしました。

 

 

 

 

 

Nさんは直筆の謝罪文を社長にわたし、社長への態度が非礼だったことを認めます。(もちろん、表面上でのことです)

 

 

 

 

 

社長は、Nさんのことを気に入り、Aは他部署へ移動させられ、とりあえず、めでたしめでたし。

 

 

 

と、いう結末でした。

 

 

 

 

 

 

その後、Nさんはどうなったと思いますか?

 

 

 

 

 

先日、Nさんから久しぶりに連絡がありました。

 

 

 

 

 

 

Nさんは、食器メーカーを辞めていました。

 

 

 

 

 

 

 

そして、現在は起業して、小さいながらも事務所も立ち上げ、目標に向かって始動したばかりでした。

 

 

 

 

 

 

 

「いま思うと、なんであんな会社にしがみついていたんだろう」

 

 

 

 

 

そう、言います。

 

 

 

 

 

ではなぜ、Nさんは会社を辞めたのか?

 

 

 

 

 

 

 

原因は、やはり、パワハラ

 

 

 

 

 

社長を中心とした男性社員からのパワハラでした。

 

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男性上位女性下位の会社ばかり

 

 

 

 

 

Nさんは、仕事のできる女性です。

 

 

 

 

Aのような暴力女とのトラブルに巻き込まれたり、社長から非難されたりと不幸続きでしたが、その後は、順調にキャリアを積んでいました。

 

 

 

 

 

元々、男性社員からも頼られ、女性社員からの信頼もあつい。

 

 

 

 

 

 

 

彼女が普通に働き、普通の会社であれば、普通に出世していたでしょう。

 

 

 

 

 

 

しかし、先ほども書きましたが、四重苦の社長がトップに居座るような会社です。

 

 

 

 

 

 

その下に控えている男性社員もやはり同じようなタイプが多い。

 

 

 

 

それは、社長が、自分と同じようなタイプの男性社員ばかりを採用し、上に引き上げているということです。

 

 

 

 

 

その結果、この会社には社長以下、男性社員15人中管理職12人。

 

 

 

 

 

 

それに対して、女性社員35人中、管理職は一人もいないということになっていました。

 

 

 

 

 

一番長い入社15年目の女性社員ですら、平社員です。

 

 

 

 

 

「まあ、ここまで、男性上位女性下位が露骨な会社も珍しい」

 

 

 

 

 

そう思っている方は、世の中のことが全然わかっていない!

 

 

 

 

世間に注目されるような大きな会社。いわゆる上場企業やIT系、外資などは、男女雇用機会均等法がきちんと守られているのかもしれませんが、非上場の小さな会社では、これはいたって普通。これが現状です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、わたしがお世話になっている編集部。

 

 

 

 

 

 

こちらの会社はいわゆる業界きっての大手ですが、わたしがお世話になった23年間で、一緒に仕事をした女性で役職についていたのは、わずか一人でした。

 

 

 

 

 

 

 

23年間で一人です。

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、現実なのです。

 

 

 

 

 

 

 

味方と思わせてズドンと落とす

 

 

 

 

 

そんな中、Nさんは、社長の覚えもよく、初めての女性管理職への道を順調に歩んでいました。

 

 

 

 

 

それを、阻んだのが、男性管理職の瀬古井さん(仮名)だったのです。

 

 

 

 

 

 

瀬古井さんは、社内の業務全体を統括管理する管理部の部長をやっていました。

 

 

 

 

 

 

社長からの信頼は絶大でした。

 

 

 

 

 

年齢はNさんと同じ。

 

 

 

 

 

 

入社年度は瀬古井さんの方が古くNさんは中途採用だったので、もともと立場はNさんより上です。

 

 

 

 

 

ただ、年齢が同じ、仕事もよくできるということで、部署は違えど、瀬古井さんはNさんを大変重宝し、難しい案件があれば、Nさんを頼るという関係でした。

 

 

 

 

 

瀬古井さんは、男性上位のこの会社にあって、比較的リベラルな考え方の男性社員というのが、女性社員の大方の見方でした。

 

 

 

 

 

 

上から目線で物を言うことはなく、わからないことは相手が部下の女性だろうと、

 

 

 

 

「わからないので力を貸してください」

 

 

 

 

 

と、頭を下げられる上司だったのです。

 

 

 

 

 

 

自分から声をかけてアルバイトの女性を食事に誘ったり、自分からプライベートな相談を女性社員にするようなところも好感を持たれていました。

 

 

 

 

 

数少ない”理解ある男性社員”の一人です。

 

 

 

 

 

だから、女性社員も瀬古井さんには心を許して、会社の問題点をはっきり言ったり、社長の悪口などをよく言っていました。

 

 

 

 

 

Nさんもその一人。

 

 

 

 

 

 

そんなとき、Nさんが、役職に就くかもしれないという噂が立ちます。

 

 

 

 

 

社長が瀬古井さんを含めた役員を集めての会議のときに、新しい部署を増やして、そこの責任者をNさんにしてはどうかという提案をしたのです。

 

 

 

 

 

瀬古井さんは、すぐにNさんに話しました。

 

 

 

 

 

Nさんはもちろん大喜びです。

 

 

 

 

 

「ただ…」

 

 

 

 

 

瀬古井さんは、こう続けました。

 

 

 

 

 

 

「Nさん、前にAさんと揉めたでしょう。あのあと、Aさんと仲直りしたの?」

 

 

 

 

 

 

「Aさんがわたしを避けたままだから、してませんけど、仕事のやり取りは普通にやっていますよ」

 

 

 

 

「それだと、ダメなんだよ。やっぱり、そこのところが引っかかっている役員がいて、トラブルを起こすような女を役職に就けるのはどうかとか言い出すおじさんがいてさー」

 

 

 

 

 

「そうですか…。でも、だからといって急に仲良くするような白々しいことはできないし…」

 

 

 

 

「そうだよね。まあ、僕の方からも社長と相談してみるから」

 

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

それから、しばらくして、また変な噂が流れます。

 

 

 

 

 

人事異動を前にして、瀬古井さんの下で働く管理部の女性社員・乱子(仮名)が別の部署に異動になり、代わりにNさんが管理部に異動になるという話でした。

 

 

 

 

 

乱子さんは、いわゆる暴言女で、自分のミスも全て他人のせい、業務中に平気でSNSに夢中になる。

 

 

 

トイレでのガールズトークですら男性上司に告げ口するなどなど。

 

 

 

とにかく口の悪さ、素行の悪さはピカイチで、抗議しようものなら、

 

 

 

 

「うるせえブス!」

 

 

「頼むから死んでくんない?」

 

 

「子どもの風邪で休むなんて最低。もっと強い子に育てられないの!」

 

 

「派遣に全部押し付けちゃえばいいじゃん」

 

 

 

 

 

量も質もピカイチの悪質さで、会社の問題児でした。

 

 

 

 

 

そういうこともあって、社長から直々に、女性から支持されている瀬古井さんが面倒を見るようにと管理部に異動してきたのが1年前だったのです。

 

 

 

 

しかし、瀬古井さんでも彼女をコントロールすることはできません。

 

 

 

 

 

 

Nさんは中途採用で入社したときから、そもそもなぜ、乱子さんが、社内でこんなに幅を利かせているのかわかりませんでした。

 

 

 

 

 

とにかく、まったく役に立っていないのです。

 

 

 

 

 

その乱子さんと自分が交換という形で異動話が進んでいるという噂を耳にしたのです。

 

 

 

 

役職に就けるという話をつい先日、聞いたばかりなのに、あまりに急転直下の話にNさんは完全に気が動転してしまったといいます。

 

 

 

 

 

 

Nさんは、瀬古井さんに事の真相を聞きます。

 

 

 

 

すると、瀬古井さんは、

 

 

 

 

 

「これは絶対に秘密なんだけど、ずいぶん前だけど、社長と乱子はデキてたんだよ。もちろん社長には妻子があるからバレたら大変なんだけど、乱子は、その立場を利用してやりたい放題じゃないかって。僕もその当時のことは知らないから、あくまで又聞きなんだけど。だから、乱子を辞めさせることができない。定期的に部署を異動して社員みんながまんべんなく犠牲になっているってことらしい」

 

 

 

 

 

「だからって、次はわたしの順番なんですか?」

 

 

 

 

「だって、仕方ないじゃん。社長命令だし」

 

 

 

 

 

仕方ないって、仕事を一生懸命やってきた人間が積み上げてきた仕事を取り上げられて、社長の女だかよくわからない仕事のできない女の穴埋めをさせられるんですか?

 

 

 

 

それが会社だよ。そういう人事もあるってこと。こんなのどこの会社にもあるでしょう。今回はそれが、一番、会社として丸く収まるんだよ。社長がそう言うんだよ。だから、役職に就くのは、次の異動までは我慢して。次は大丈夫だから」

 

 

 

 

 

「納得できません。社長と直に話をさせてください」

 

 

 

 

 

「それはやめたほうがいい。Aさんの件でも社長と直に話してNさんは怒らせてしまったでしょう。僕のほうから言ってみるからここは抑えて」

 

 

 

つづく

 

 

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風宏