先生が去った後、飯山さんは、
「さあ、どんちゃん騒ぎの始まりです!」
と、宣言しました。
かくして、謝恩会はクレーマー3家族が仕切るただの下品な飲み会に成り果てたのです。
これが、彼らの緑子さんや黄見栄さんたちに対する
復讐
だったのです。
結局、緑子さんが1年かけて準備した謝恩会は、このような形で幕を下ろしました。
勝ち負けで言えば、
完敗
です。
ハメられた形で謝恩会係にされ、それでも負けずに頑張って、最後までキレずにやり遂げた結果が、これ。
残念ですが、これが、現実です。
会計報告
例の飯山さんの復讐はこれだけではありませんでした。
「どうやら緑子さんが会計をごまかしているらしいんだよね」
卒園したあとも、そんな噂を流し続けていました。
本来なら、繰り越さなければならない予算を、昨年までパンジー会の役員だけで飲み食いしていたような父母会です。
「普通は、役員をやっていたら会計をごまかすよね〜」
と、いうのが当たり前なほど、モラルの低い父母会でしたから、そのような噂が立つのも当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。
(緑子さんがパンジー会の役員でなければ、余った予算は自分たちのどんちゃん騒ぎに使えたのに…)
飯山さんたちはきっとそう思っていたのでしょう。
だから、腹いせにそんな噂を流した。
もしくは、予算の使い込みをしない人間がいること自体を信じていないのかもしれませんね。
緑子さんは、そんなこともあろうと、最初からきっちりとした帳簿をつけていました。
報告書を作り、領収書を貼り、本業が会計監査のママに依頼していました。
きっちりと確認いただいて、
「平成○○年度△△保育園謝恩会の会計監査にあたり、収入支出に伴う関係書類及び関係帳簿・関係領収書等を慎重に審査した結果、いずれも正確かつ適正であることを認めます。
承認してくださる方は、返信メールをお願いします」
と、皆に一斉送信メールを出してもらいました。
もちろん、飯山さんからの返信はありませんでした。
本当にすべてが終わったとき、緑子さんは、
保護者全員、嫌いになっていました。
唯一の救いは、子どもたちでした。子どもたちが喜んでいるのをみれば、やってよかったと心から思えたからです。
無償の愛でした。
子供は人質じゃない
一連の事件の終了後、緑子さんはママ友とつきあうのをいっさいやめてしまいました。
ママ友なんて友じゃない、むしろ百害あって一利なしだ。
というのが彼女の持論です。
緑子さんの子供が小学校に入学して、保育園のママ友とは、15人中11人が同じ小学校です。
「同姓同名ですが別人です」と言って転園して逃げ去ったママ友もまた同じ小学校のママとなりました。
緑子さんは、今までと変わらない態度で、知っているママと会えば、きちんと挨拶をしようと決めていました。
が、 彼女は緑子さんと廊下で会うと下を向いて逃げ出すそうです。
役員を押し付けたママたちも数名も、緑子さんに会えば、気づかないふりをして下を向いて素通りしてしまうそうです。
クレーマー3家族は全員緑子さんの子供とは違う小学校に行きました。
2家族が同じ小学校。
もう一人はまた別の小学校に行ってしまったのでバラバラになりました。
そして、何よりも肝心なこと。
保育園のママ友たちは、小学校に上がった途端、誰一人、家族ぐるみの付き合いを続けることはなくなりました。
子供のために、ママ友を作らなければいけない。
子供のために、ママ友に気を使わなくてはならない。
だって、ママ同士が仲良くしないと、子供が仲間外れにされるから。
そんなことはまったくありませんでした。
子どもは子ども。
さも、子どもが人質にとられているかのように思ってしまい、間違った事を我慢すべきではなかった。
つづく
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