基本的な感覚の違いにがく然
前年度の謝恩会は、某ホテル宴会場を貸し切って体操のお兄さんを招いて盛大にやったそうです。
保護者の中に、マスコミ関係の仕事をしているママがいて、
「自分はお笑いの◯◯と知り合いだから安く来てもらえる」
「歌手の△△なら友達だから簡単に呼べる」
などと、言いだして、結局、その人のゴリ押しで体操のお兄さんを呼ぶことになったそうです。
結果、そのお兄さんを呼ぶためにひと家族から集めたお金は5万円。
ひと家族5万円の出費!
緑子さんはがく然とします。
(謝恩会って、そういうことじゃないんじゃないの…)
イベント・謝恩会係として、初めて会合に参加した日、緑子さんは、「謝恩会とは」自分はこう思うという話をしました。
「謝恩会というのは、お世話になった園長先生や担任の先生を呼んで、『ありがとうございました』と、いう想いを込めて、わたしたちがホストとなってみなさんに楽しんでもらうための会ですから、お金はかけずに手作り感満載の会にしたいと思うのですが」
「それ、いい~。賛成賛成~」
ママたちから賛同の声があがります。しかし、
「あの~」
声をあげたのは、地元で代々自営業を営んでいる飲食店のパパでした。
ママは会社勤めをしているので、子供の送り迎えはいつもこのパパ。
だから、子供たちにも人気がありました。ママたちともいつも気さくに話をする感じの良い人です。その人がこう切り出したのです。
「あの~。そこまで、”謝恩会”って言葉に縛られる必要はないんじゃないですか?去年だって、体操のお兄さんを呼んですごい盛り上がったみたいだし。そう先生先生って、園長や先生に気を使ってたら自分たちが楽しめないじゃないですか。楽しめない会にお金出したくないし、モチベーションが持たないと思うんですよ。ホストって…、そうなのかな~。なんかそれ違う気がするな~。自分たちが楽しむことが一番だと思うけどな~。まあ、そんなに言うほど今の園長の世話になってないんだし、別に呼ばなくてもいいと思うけど」
すると、もう一人のパパが後を追います。
「体操の先生を呼んだあのママに頼んだら、お笑い芸人とか呼んでくれるんでしょ。だったら、それでよくないですか?手作りって、みんなそんな時間ないでしょう。まあ、5万円くらいだったら謝恩会の出費としては相場じゃないですか?」
「それもそうだね。園長や先生に気を使う必要ないんじゃない。最後なんだし、自分たちが楽しまないとね」
そういう言葉が方々から上がります。
緑子さんは、言葉が出ません。
結果的に、意見が真っ二つに分かれた形になりました。
仕方がないので、とりあえず、そこは置いといて、
謝恩会への一人一人の意見を聞いていきます。
皆からの希望をまとめると、
お金は極力かけたくない。(兄弟の多いお子さんの家族からの希望)
子どもの思い出のDVDを作りたい。
親が子どもに出し物を見せたい。(歌や踊り)
歴代お世話になった先生方をすべて招待したい
すごくまともな意見ばかりです。
”お金をかけて芸人を呼んで、先生を呼ばずに自分たちで楽しめればいい”
という、意見は、実は極、少数の家族だけが主張する意見だったのです。
正確に数字で表すと、
先生を招待して手作りお金をかけない12>3お金をかけて芸人を呼んで、先生を呼ばずに自分たちで楽しめればいい
ここなんです! ここが、大切なポイント!
つまり、
”一人一人の意見を聞く”、ということをしなかったら、
3家族のまともじゃない意見が、この場の結論となっていた可能性がある 。
と、いうことなのです。
どうして、そうなるかというと、
声を大にして、自分の意見を”正論”として、振りかざす人間が勝ってしまうからです。
それは、
誰も、こんな場で言い争いをしたくない。
と、思っています。
言い争いを好まない人は、沈黙を味方にしがちです。
沈黙は、肯定を意味します。
誰かが、明らかに正しくない意見を正論として、振りかざしたら、
例えば、今回のように、
「先生なんか呼ばなくて、自分たちだけで5万円払って芸人呼んだ方が楽しいじゃん!」
そういう、訳のわからない意見を、さも、正論のように当たり前の顔をされて言われたら、そして、それを後押しする頭の悪い2家族がいて、「そうだそうだ!」とシュピレヒコールを上げたら、まともな考えてを持った普通の人は、まず、
呆気にとられます。
次に、
「いや、それはちょっと違う気が…」
反対意見が頭に浮かびますが、同時に、
「こういう訳のわからないことを当たり前のように言う人たちに反対意見を言うと、逆になんて言われるか…。敵に回すと面倒臭い」
そして、沈黙するのです。ここで、
「それは、違うと思いますよ」
と、勇気を出して言ったとします。
そうすると、その場では、「そうですか?」と、聞いてくれても陰で、
「なんだあいつ。真面目ぶりやがって」
と、なる可能性があります。
だから、黙る。
沈黙する。
それは、そのアホな意見を認めたことになる。
おそらく、モンスターペアレントができあがっていく仕組みもこんな感じでしょう。
しかし、緑子さんは学習していました。その場で、彼らの意見に反対するのではなく、とりあえず、それは保留にしておいて、全員の意見を一人一人聞いていったのです。
一応、それで、彼らは黙りました。
しかし、のちに、彼らは、大問題を引き起こしていくわけですが…。
つまり、この時点で、
クレーマー家族
VS
謝恩会をきちんとやりたい家族
という構図ができあがっていのたです。
つづく
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