無事には過ごせなかった最終学年
そうしてついに最終学年を迎えました。
パンジー会の最終学年は会長、副会長、広報、会計など役員を引き受けなければなりません。
もちろん、係を今までやってこなかった人が暗黙の了解でその係を引き受けることになります。
その係を決める日の一週間前から緑子さんの子どもは扁桃腺炎にかかり、休園していました。
緑子さんはパンジー会には入会していないので、係がまわってくることはないだろうと思っていましが、一抹の不安は感じていました。
と、いうのも、この数日前、一人のお母さんがこういうことを言ってきたのです。
「緑子さんは、今年はパンジー会に入ったんでしょう?」
「入ってないですよ」
「え、だって、最終年は役員がたくさんあって、緑子さんが入らないと一人で二つの
役員をやるお母さんが出てくるし、バーベキュー会やクリスマス会だけじゃなくて、卒園式の謝恩会もパンジー会が主催だから、会に入らないと謝恩会に出られなくなるよ。それでもいいの?」
このお母さんは、緑子さんに追随して途中でパンジー会を辞めたお母さんの一人です。
しかし、保育園最後にして最大のイベントである謝恩会に出るためには、パンジー会に入らないといけないということを、今年、卒園していった子供のお母さんから聞いて、再び、パンジー会に入り直したのでした。
その理由は、
「謝恩会はこれから1年かけて謝恩会用に積み立てたお金で準備をするから」
だったら、パンジー会に入らなくてもお金だけ預けていればいいんじゃないの?
と、普通は思いますが、強いママ友にそう言われると、
「はい、わかりました」
そう言うしかないんです。そういうものなんです。
結局、入り直したお母さんが、3人いました。だから、入っていないのは、またしても、緑子さんだけ。
「お金だけは払うと言ってもダメなんですよね。だったら仕方ないですよね。うちは遠慮します」
「それじゃあ子供がかわいそうじゃない!」
「強制なんだったら、どうして最初から強制って言わないんですか?それじゃあ任意じゃないじゃないですか」
「強制じゃないけど、任意はあくまで建て前であって、実際は最終年は強制みたいなものなんだよ。それくらい常識的にわかってるって思ってた」
「結局、入らなきゃ、謝恩会にも出ちゃいけないってことなんですね。つまり、強制ってことですよね」
「強制ではない!これだけははっきり言うけれど、強制ではないからね。わかるでしょう。強制じゃないけど、入らないと謝恩会には出られないということ」
いくら話をしても、緑子さんの納得のいく回答なんか得られるはずもありません。
そもそも、パンジー会自体が公立の保育園の親たちが勝手につくった団体です。
そこで会費をとって、保育園のイベントと称して、入会していないと子供ですら参加できないというシステムを作り上げたのです。
もちろん、法的な強制力はまったくないし、保育園もいっさい感知していない。
仕切っているママ友の思いどおり。だから、
言っていることが、むちゃくちゃ なんです。
でも、権力を持ったママ友には、そんな理屈は通りません。
自分たちが仕切っている世界が正しい。
ルールをつくりだした者が正しい。
つづく
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