マニュエル・ゲッチングの偉大な足跡・3 『Inventions For Electric』を聴く | KATU★ANDOの音楽と映像のブログ

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『Inventions For Electric Guitar』1975年

 

 ゲッチングのソロ1作目となる作品である。エレキギターにエフェクトをかけ、編集を重ねてシーケンス・フレーズを繰り返す。彼の手法の原点とも言えるものだ。タンジェリン・ドリームのクラウス・シュルツ、ハルトムート・エンケと結成したアシュ・ラ・テンペルは、何枚かアルバムを出したものの、エンケのドラッグ中毒やシュルツの脱退により崩壊し、ゲッチング自身は、自身の音楽を追求することになる。彼は、ミニマル・ミュージックの先駆者テリー・ライリーやスティーブ・ライヒの影響を受け、ギターフレーズの反復というミニマリズムのある形に行き着いたのだった。それが本作で、到達した音楽世界は、トランス・ミュージックの源流とも言えるものであり、変性意識状態を誘発させるものだ。急速な工業化社会の到来の中で、人間と機械の在り方を音楽を通して融合させたゲッチングの音楽は、驚嘆に値する。このアルバムで示された方法論が、『E2-E4』に結実されてゆく。