夏日烈日(なつひれつじつ) 南中する太陽を背にして北に向かって歩く 噴き出す首筋の汗に更に熱 乾いている道の土 通りの日時計も熱射に溶ける如くに 小径を曲がったところに思わぬ日陰 岩壁に寄り添って空を覆った大樹の影の 黒さを更に黒く濡らしていた湧き水と歯朶 くすんだ緑の中から冷たい水の匂いがする 夏の白昼の切り立った日影の 束の間の涼しさに人生を観る 一刻の涼ありてこそ熱き道をなお歩きゆく ただそれだけのものであるこの生を