
余談かな
余談かもしれないけれど
何となく海のテーマでもあるような気がする
海岸ではよくヘリを見る
海水浴場だけでなくサーファーその他の人たちの安全確保とか
場合によっては救助とか
以前の話だが
この浜から少し海に入った辺りの上空でヘリがホバリングして
ロープを降ろし人を引き上げたのを見たことがある
海は美しい場所であるけれど
同時に恐ろしい場所でもある

そんなヘリコプターと鴎のツー・ショット
鴎にとってヘリは大きく騒々しい鳥なのだろうか
餌を取り合うこともあるそうだが
少なくとも今ここでは互いに我関係せず
まあ何しろ空は広い

その鴎
いつ見ても美しい姿をして飛んでいる
もしかするとウミネコかもしれないがこの距離では僕には判別できそうもない
どうせチドリ目カモメ科の鳥
ミャアミャア鳴いてでもくれないと・・・

シンクロナイズド・フライトと呼ぶべきだろうか
この二羽の飛翔の同期ぶりは素晴らしい
後続が前の飛び方を真似しているのだろうか
それとも
我々の目には見えない風の流れに從って飛ぶから
つい同じ動きになるのだろうか
それともまた渡り鳥たちみたいに
前を行くものの作り出す空気の渦が同じ形を要求するのか
知りたいことはいっぱいあるものだ
白い鳥の後は黒い鳥
カラスは何処にでもいるけれど
海辺の波打ち際を低空飛行すると
羽が陽光を浴びて光るのか
黒い姿の羽の上に煌めく星

カラスとは相性は悪かろう鳩君も
人間を怖れることはないらしく
首を振りながら
でもいささか思慮深い歩みで近寄ってきて
ついには僕のズボンのポケットに首を突っ込んできた
何か美味しそうな匂いでもしたのだろうか

けれど僕は餌になりそうなものを持っていたわけでもなく
しばらく僕の側を人懐こそうに歩きまわっていた鳩が
別の鳩を見つけて飛んだ
鳩は帆翔するというより羽撃く鳥の典型だな
羽音を立てて力強く飛び去った

まだ日暮れというわけではないけれど
鳩に愛想をつかされたついでに
もう少し向こうまで歩こうと立ち上がる
ものの五分くらい歩いた波打ち際で
アカエイらしきものが死んでいた
そう言えばアカエイも飛ぶものだ
死んでから打ち上げられたにしては形が生きたままのようだった
身体の部分で1メートル近い大きな個体だった
人間の釣り針にかかってしまったのか
あるいは何かとんでもない間違いを犯してしまったか
鳶もこれだけのものを拾いには来ないのだろう
きっと日が照り
また波に洗われては干からびて
やがて散り散りになり

砂に帰るのかもしれない
なんだかアカエイは
生命を飛ばしてしまった
そういう身の上を
「なんてこった」と少し戯(おど)けて受け容れてしまっているように見えた
砂は総てを知り尽くして
また総てを包み込む
この足元の砂でさえ



