不完全な切り紙細工 -36ページ目

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある






 

 

 『夜』は眠らない

 なにしろ光がいなくなって

 皆が眠る頃に元気づくのが『夜』だから


 それなら昼には『夜」は眠るのだろうって?

 いいや

 昼間は昼間で光が眩しくて『夜』は眠れないのさ


 だから

 『夜』はいろんな理由のせいで眠らないし

 眠れない


 愛し合っているからだなんて

 『夜』が眠らない理由としては

 とても小さなことなのだ


 『夜』は本質的に不眠症の生き物さ





 




                  って何ですかね
                  暑さにやられたわけでもないですが・・・
                  国会では日本国の存立危機が起きているし
                  強力に育ちつつある颱風も近づきつつあって
                  ちょっと可笑しなお菓子なことでもと








 暑い夏の夜のことだった

 月が空の上のハート形の湖に

 足を突っ込んで涼をとろうとするけれど

 つるりと滑った

 「おっとっと このまま水に落ちたら
 
  おとと になっってしまうじゃないか」

 けれど

 もしも おととになったなら

 月は水の上をきっと美しく泳いで

 光の魚になるだろう

 とくに

 こんな夜にはきっと煌めく光の魚に

 なるだろう

 そう誰かが思ったら

 月はそのまま手を離し

 光る背を揺らしながら

 湖の中へとするりと滑り落ちていきましたとさ


 それだから

 夏の暑い夜には

 月がゆらゆら揺れながら

 湖や川面を泳いでいくのを見ることができるのだということだ








                  ひかりっこさんのコメントが
                  とても素敵だったので
                  ついもう一つ小話作ってしまいました
                  とさ