低く垂れこめた雨雲の合間をぬって
小さな祭りが始まった
ごく当たり前の
変哲のない
毎年のように
盆踊りの太鼓が夜空に鳴って
飾った櫓(やぐら)の上の光のなかで
浴衣姿のひとたちが提灯と揺れ
水風船のヨーヨーが水から釣り上げられたり
落ちて水を跳ね返したりするのも
スーパーボールのプールに屈(かが)みこんだ
子どもと大人が目を輝かせて笑うのも
押すな押すなの覗き合いだって
いつもと何一つ変わらない
金魚は二匹すくってオマケも三匹もらったから
後はお菓子でも食べながらジュースを飲めば
いつもより少しだけ幸せな夏祭りになるのかな
いつものように
毎年のように始まって人が集まりひけていく
違うのは新顔がやってきて旧顔が少し減り
みんなが一歳ずつ大きくなったこと
みんなが一歳ずつ大きくなったこと
そのことも祭りもなんだか照れくさいほどに
センチメンタルだったものなのさ





