光は届いていた
けれど川が森を抜けて流れていたので
光はときに昼でさえ月あかりのように遠く静かだった
深い川だった
それにその森は平坦な丘の上に広がっていたので
水の流れは穏やかで
川床は長い年月の割に荒々しく
深い凹凸があって水を妨げた
その深い川床にあなたの命は眠っていた
もちろんあなたは地表に生きて
土の上を歩いていた
ただ心だけが川の流れの届かぬ底に残されて
ある日あなたは旅の途中で
十三歳の少年と出会った
確証は全くなかったけれど川の底の光を感じた
閉じ込めたまま眠らせ沈黙させた
自分の心がそこにあるような気がして
どうしても少年と話がしたいと
人生はえてして奇妙な偶然で人を惑わし
惑わすだけでなく救うことさえあるものだ
少年は昨日そう本で読んだばかりだったのだ
川の底の暗闇になぜか光輝くものを
置き忘れてきたような
ある日突然やってくる深い戸惑い
命はそうやって流れゆく川の
明るい水面から深い川床に届く偶然を
こともなげに与えてしまう
明日はきっと光が明るい日になるだろう